視聴時間単位で広告枠を販売するDennooがニッセイ・キャピタルから110万ドルを追加調達

単にブラウザに広告が読み込まれただけではなく、実際にユーザーに表示された時間単位で広告枠を販売する事業を展開するのがDennooだ。このスタートアップについては以前に本誌でも取り上げている

そのDennooが新たにニッセイ・キャピタルから110万ドルを追加調達したことを発表している。今年2月にはニッセイ・キャピタル、サイバー・コミュニケーションズ、サイバーエージェント・ベンチャーズと数名の個人投資家から117万ドルを調達しており、それ以前に調達した83万ドルと合わせると、累計調達額は310万ドルとなっている。

Dennooが手掛ける新しい広告の取組みは、興味深い。一方で、表示時間ごとに支払う広告主側のメリットは大いにあるが、広告を掲載する媒体側からすると従来の単純なインプレッション数で計測した方が視聴時間で計測するよりも収益性が高いのではないかという懸念点が存在することは確かだ。この点について、Denno共同創業者の長山大介氏は、同社が提供する「Viewable Time*計測サービス」でどの広告枠がCPV販売によって収益増につながるかを予め予想することができる」としている。(*Viewable Time:ユーザーの画面上に広告が表示されている状態)

Dennno共同創業者の梅田茂利氏は「このサービスの真価を発揮するのは動画広告だ」と語っており、今年6月からサイバー・コミュニケーションズと共に動画広告サービス「Adjust Display Cost-per-View」の提供を開始している。

この動画広告はユーザーの画面に広告の50%以上が表示されていて、一定秒数(15秒から30秒)以上が表示された場合のみ広告料金が発生するというものだ(YouTubeの動画広告である30秒間視聴されたら料金が発生する「True Viewインストリーム」と似ている)。すでに大手IT企業、通信会社や官公庁などから発注を受けているそうだ。

今後は今年秋ごろに「Cost-per-View」の売買を自動的に行うことでができるプラットフォーム「Dennoo Display CPV Demand Side Platform (仮称)」をリリース予定としており、年内には米国でも同サービスを提供予定だそうだ。


アドテクノロジーのDENNOOがシードラウンドの追加資金で合計200万ドルを調達

広告配信のDENNOOについては以前に記事にしている。DENNOOが開発するのは、実際に広告枠が表示された際にインプレッションをカウントしたり、広告枠が表示されている時間に基づいて広告配信の課金をしたりする技術で、まもなくその製品が可動するという。

そのDENNOOが新たな資金調達を実施したことを発表した。今回の資金調達は117万ドルで以前に調達した83万ドルとあわせて200万ドルのシードラウンドのファイナンスが終了したのだという。出資をしたのはニッセイキャピタル、サイバーエージェント・ベンチャーズに加えて新たな個人投資家が加わり、以前のラウンドでも投資をした元ヤフーの松本真尚氏、元電通でDistant Drums代表取締役の永田大輔氏も追加で出資している。

DENNOOは現在、日本で製品の開発を行っているが、企業としては北米に登記していて北米でのビジネスも視野にいれているためドル建ての資金調達になっている。共同創業者の梅田茂利氏と長山大介氏によれば、DENNOOの広告配信技術については以前に実施した試験配信でもある一定の評価を得られたと語っている。この2月には提携によって実際の広告の配信が始まるのだというが、それがどれだけ効果の高いものになり、ビジネスとなるのかは、実際にプロダクトが可動してから評価されるものだろう。