ベラルーシ政権が暴漢・圧力で同国の重要なスタートアップハブImaguruに閉鎖を強いる

マスクをした匿名の侵入者たちに押し入られ、賃貸契約が解除された後、ミンスクにあるベラルーシの主要なスタートアップハブで、イベント・コワーキングスペースでもあったImaguruは、ここ数カ月間、自国民に対して残忍な弾圧を行ってきたルカシェンコ政権によって事実上閉鎖された。しかしこのスペースを運営している会社は、当局に反抗してオンラインでの活動を続けると述べている。

2013年以降Imaguruは、2017年にFacebook(フェイスブック)が買収したMSQRDをはじめとするベラルーシ発の多くのスタートアップが誕生した場所として知られるようになり、また、ベラルーシを訪れる国際的な投資家たちの着地点にもなっていた。このスペースから生まれたスタートアップは、近年、1億ドル(約108億円)以上の投資を集めている。

「Imaguru Startup HUB」は、2013年に「Horizon Holding」が国有企業から老朽化した建物を引き継いだ際に、スペースを借りるリース契約を結んだ。しかし、2021年4月16日、Horizonは一方的にリースを終了するとImaguruに伝え、同スタートアップスペースは4月30日までに退去するよう命じられた。

Imaguruによると、HorizonはImaguruを同不動産事業の「フラッグシップ」テナントと呼んで宣伝しており、リース終了の理由は何もないという。

Imaguruの設立者タニア・マリニッチ氏

外部から見れば、Imaguruがベラルーシ国内の民主化運動を積極的に支援したことで、Horizonに圧力がかかったように見受けられる。

2021年3月上旬にはマスクを被った正体不明の男たちがImaguruのオフィスに侵入し「出口を塞ぎ、若いイベント参加者たちを壁に押し付け、警察署に連れて行った」という。

Imaguruは声明の中でこう述べている。「我々は、誠実で公正な選択の権利を擁護する一般市民に対する無法状態、弾圧、迫害を黙認しません。政権がビジネス、投資、そしてスタートアップの環境をシャットダウンすることを黙認しません。ベラルーシからスタートアップが大量に流出していることも、このことによる国の破滅、そしてこのプロセスにおけるHigh Tech Park(政府支援のテクノロジー経済特区)の役割についても黙ってはいません」。

「I’m a guru(私は達人)」というフレーズにちなんで名づけられたImaguruは、ベラルーシの起業家たちによって文字通り書き起こされ、数え切れないほどのカンファレンスやイベント、スタートアップピッチやコースを開催してきた。また、Venture Day Minsk(現地時間4月29日にオンラインで開催予定)の主催者でもある。

2013年以来、ImaguruはSplitmetrics、MSQRD、PingFin、DEIP、TrackDuckなど、300以上のベラルーシのスタートアップを支援し、250以上の雇用を創出し、1万2000人以上を教育し、3500以上のイベントを開催し、米国、英国、フィンランド、スペインへのスタディツアーを企画し、最近ではTechMinskアクセラレータプログラムを立ち上げたという。

ここ数カ月の間に同社は、不正が疑われる2020年選挙後に起こった国内での抗議活動に連帯して従業員が投獄されたPandaDocへの支持を示す動画を録画し、さらに2020年10月26日のゼネストを支援していた。

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Imaguruチームが主催したGlobal Entrepreneurship Week Belarusは、ベラルーシのリーダーで2020年大統領候補だったSviatlana Tsikhanouskaya(スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ)氏によって開会された。

Imaguruは、ベラルーシのビジネスウーマンTania Marinich(タニア・マリニッチ、TwitterLinkedinTelegram)氏によって設立された。彼女の夫は、ルカシェンコ政権に対抗して選挙に立候補した後、獄中で亡くなった。

下の動画は、Imaguruスペースの閉鎖に関するマリニッチ氏の声明だ。

ミンスクに拠点を置くスタートアップハブは、2013年のベラルーシではまったく新しいアイデアだったが、マリニッチ氏は設立以来、このエコシステムを擁護してきた。

2020年の抗議活動の後、マリニッチ氏は野党の調整評議会のコアチームに加わり、ビジネスグループを率いている。

Imaguruを支援したい方は、同社のニュースFacebookLinkedinTwitterInstagramYoutubeを購読することができる。

Imaguruの商品を購入したり、オンラインで提供し続けているサービスを注文することも可能だ。

また、4月29日に開催されるVenture Day Minsk Onlineに参加することもできる。登録はこちらから。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ベラルーシImaguru

画像クレジット:Imaguru

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)