ベッドの枕元において睡眠をモニターする小型デバイス、Senseの開発元のスタートアップ、Helloが運営を停止する。 Helloの公式ブログによれば同社は売却先を探していたが、見つけることができなかったようだ。このニュースはAxiosが最初に報じた,。同社は社員のほとんどをレイオフし、残余財産の買い手を探していたという。
われわれが得た情報によれば、Axiosの記事はFitbitと売却について交渉したが不調に終わったという点も含めて正確だ。別の情報源によれば、Helloのエンジニアの大部分は別の睡眠トラッカーのスタートアップ、Casperに参加するという。元HelloのエンジニアはサンフランシスコのCasperのR&D部門に加わる。Casperはマットレス、シーツ、枕など睡眠関連のグッズを広範囲に開発、販売している。それに大中小、3サイズの犬用ベッドも売っている。
Helloは2015年にはTemasekをリーダーとしたラウンドで4000万ドルの資金を調達していた。会社評価額は2億5000万ドルから3億ドルだったと見られる。Helloは当初の製品をKickstarterに登録し、240万ドルを調達した。昨年は音声認識機能を備えた新製品を開発し、149ドルで販売していた。
Helloの製品は小型でどこにでも置ける。小さな睡眠モニターを枕にセットするだけでわずらわしいリストバンドなどを装着する必要なしに睡眠の質を改善できるというのがキャッチフレーズだった。睡眠モニターはヘルス関連製品の中でも大きな部分を占めるようになっていた。【略】
わずらわしい手間なしに睡眠の質を改善することを目的としたHelloだったが、iOS 10にベッドタイム機能が組み込まれたことや、Alexaなどの音声認識機能が普及するようになると存立の危機に直面することになった。Amazon Echo(それにGoogle Home、HomePod)のようなホームアシスタントは睡眠の質の改善を売りにしているわけではないが、Alexaならたとえば「明日の午前7時になったら照明をゆっくり点けるように。私が目が覚めたのを確認すること」などと命じるのは簡単だ。
またハードウェアの販売というのは単に睡眠モニターのアプリを売るのとはまったく異なるビジネスだ。昨年8月、HelloはSenseをBest BuyとTargetで販売すると発表した。こうなると一スタートアップであるHelloはサプライチェーン管理やロジスティクスという複雑な問題に直面しなければならい。同時に来店した顧客がSenseを実際に買ってくれるようにするマーケティングも重要になる。同社は昨年9月元DoorDashの幹部をCMO(最高マーケティング責任者)にスカウトしている。
私はHelloのCEO、ジェームズ・プラウドに質問を送ったがまだ回答がない。ピーター・ティールは若者の起業のための資金援助を行うThiel Fellowshipプログラムを実施しているが、プラウドは初期のティール・フェローの一人だ。われわれはCasperにもコメントを求めているがこちらも回答がない。
画像: Hello
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)