犯罪歴のある人にコーディングを教える社会復帰をサポートする無料プログラム「Justice Through Code」

刑務所や留置所にいたことのある人は、安定職や住居の取得や金融サービスの利用においてしばしば障壁にぶつかる。この種の障壁は、刑務所から釈放された年間60万人以上の人々を再犯へと誘導する主要因となっている。米国司法省司法統計局によると、2005年から2014年までの期間に、2005年に釈放された人の推定68%が3年以内に再び逮捕されている。同じく2005年釈放された83%の人々が9年以内に再び逮捕されている。

Justice Through Code(ジャスティス・スルー・コード)はコロンビア大学で開催される一学期間にわたるコーディングと対人能力の集中講義で、社会復帰しようとする人たちに新たな道を与えることを目的にしている。

プロクラムを通じて、学生はPython(パイソン)やその他のコンピュータサイエンスの基礎を学ぶ。他にも職業指導、人前で話す訓練、交渉スキル、履歴書の書き方などを学ぶ。修了した学生は、パートナー企業で有給インターンの機会を与えられる。Justice Through Codeは2020年最初の学期を終え、30名強の学生を送り出した。

2020年卒業して仕事またはインターンを希望した学生のうち、80%が6カ月以内に関連する職に就いた、とJustice Through CodeのファウンダーであるAedan Macdonald(エーダン・マクドナルド)氏がTechCrunchに話した。Antwan(アントワン)氏(上の写真)はプログラムの後にインターンシップの機会を得た1人だ。同氏はコロンビア大学のIT部門で2020年12月からフルタイムのインターンとして働いている。

「Facebookで(Justice Though Code)のフライヤーを見つけてから1年以内にコロンビア大学でインターンとして仕事をしていることが信じられません」とアントワン氏がTechCrunchに語った。「とにかくすばらしい。1日1日が勉強の連続です」、

それ以前、アントワン氏はEmergent Worksで過ごした。

「Emergent Worksは、プログラムで学んだ理論を仕事の場で使う最初のチャンスを与えてくれました」とアントワン氏はいう。

Justice Through Codeは、少数のテック企業パートナーからプログラムと学生のサポート協力を得ている。たとえばAmazon Web Service(AWS)は必要とする学生にノートパソコンを提供し、Google(グーグル)、Slack(スラック)、Coursera(コーセラ)の技術者は、テック企業での経験を学生に話している。

AWSは同プログラム出身者をまだ雇用していないが、卒業生に機会を与えるのを楽しみにしている、と広報担当者は話した。

「このプログラムの人たちを雇うことは間違いなく当社の目的です」と広報担当者はTechCrunchに語った。

現在、Justice Through Codeは3回目のクラスを募集中で、最大60名受け入れる予定だとマクドナルド氏は言っている。Justice Through Codeに応募するためにコーディング経験は必要ないが、コンピューターの使用が苦痛でないことは前提だ。選考過程では、応募者がコーディングを学ぶ上で体験するフラストレーションに対処する能力も試される。

「コーディングを学ぶ期間の大部分は、自分がすべてを知っているわけではないという状態にあります」とマクドナルド氏は言った。「そしてそれは非常に欲求不満を募らせます。このため私は、人々が問題に向き合う過程を見ることが有意義だと思っています。面接では2~3の論理的問題を出しますが、その人が正解するかどうかは実は重要ではありません。問題はペアーになっていて、もし誰かが最初の質問に苦労していたら、どうやって説くかを我々が詳しく説明し、同じ原理を使った次の質問に、受講者が原理を適用する過程を見ます。そうやって、学習環境への対応や業界に対する興味の種類、プログラムに参加したときに成功しようという意欲などを見極めます」。

刑事司法制度の対象となった人々を支援するプログラムはJustice Through Codeだけではない。The Last Mile(ザ・ラスト・マイル)は、収監中の人たちにビジネスとコーディングのスキルを教え、社会復帰した人たちが職を探すためにテック企業との提携も行っている。

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自身も収監された経験をもつマクドナルド氏は、Justice Through Codeが「犯罪歴者の将来には最低賃金の職しかない、という負の固定観念」を消してくれることを期待している。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Justice Through Codeコーディング

画像クレジット:Courtesy of Justice Through Code

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Nob Takahashi / facebook