私の場合は、iPhoneの最新バージョンを入手してから1年弱ぐらいのある日、なぜか半日ぐらい、バッテリーが涸渇状態におちいる。
その理由がずっとわからなかったが、今ではわかる。
スタンフォードのコンピュータ科学のPhD Adam OlinerとJacob Leverichの二人が、Kuro Labsと名づけた会社を立ち上げ、博士課程終了後の研究を応用した‘Normal’と呼ばれるアプリを作った。
同社の最初のプロジェクトであるそのNormalはバッテリー診断サービスで、ユーザのアプリ使用状況をほかのiOSデバイスユーザたちと比較して、バッテリーの寿命を延ばすためのアドバイスをしてくれる。Normalは99セントの有料アプリで、ユーザと同じようなアプリを使っている人たちの電池利用状況とユーザのそれを、経時的に比較する。
‘Normal’という名前をつけたのは、同じデバイスを使っているほかのユーザたちと比べて、当のユーザのバッテリー寿命がノーマル(正常)かどうかを判定するアプリだからだ。
Olinerは曰く、“バッテリーはモバイル機器の最大の弱点であり、良い対策がない。デバイスは電池について何も教えてくれないから、今何がそんなにエネルギーを消費しているのか、これで正常なのか、ユーザには何も分からない。そこを、解決したかった”。
Normalの画面には、今動いているアプリ、動いてないけどバッテリーを無駄食いしているアプリ、そしてそのほかのアプリが表示される。各アプリにリングチャートが表示され(下図)、そのアプリを閉じたらどれだけ電池寿命が延びるかが表示される。たとえば下の画像のリストのいちばん上では、Googleをkillしたら約1時間36分48秒延びる、と診断されている。
モバイルでFacebookを使うのをやめたら、電池寿命を26分47秒節約できる。またInstagramのようなバックグラウンドで動いているネイティブアプリを閉じたら、1時間と7分の節約ができる。
アプリの構成を変えるとよい場合もある。たとえばPinterestは通常はバッテリー大喰らいではないが、構成によってはエネルギー集約的になる。ユーザの現状が通常の構成かどうかも、Normalが(他のスマートフォンと比較して)教えてくれる。
このアプリはOlinerがUC Berkeley(カ大バークリー校)でやっていて、最終的にCaratというアプリになったプロジェクトが起源だ。その古いアプリは黙ってユーザのデバイスの現況を測定し、そのデータをそのほかの(匿名化した)ユーザの数値と比較し、OSをアップデートしろとか、特定のアプリをリスタートまたはキルしろ、などのアドバイスをユーザに提供した。
Olinerの博士課程終了後の研究がやっと終わったとき、彼はLeverichと一緒にKuro Labsと呼ばれる会社を作り、Caratのコンセプトをもっと発展させたい、と考えた。今後はNormalのラップトップ用やタブレット用を出したいそうだ。
“Bugsenseとは、似ているかもしれない。あれはクラッシュを診断するんだけどね”、と彼は言う。“でもうちのは、エネルギー消費を診断するんだ”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))