スイスのLemoptixは、携帯電話や自動車のヘッドアップディスプレイや低電力のウェアラブルデバイスにプロジェクターを埋め込める技術を開発している。同社はこのほど、スイスの通信企業SwisscomのVC部門Swisscom Venturesや既存の投資家たちから、新たな資金を調達した(金額は公表されていない)。
2008年に名門大学Swiss Federal Institute of Technology(スイス連邦工科大学)からスピンオフしたLemoptixは、MEMS~MOEMS技術を利用した素子により、携帯電話やHUDやそのほかのウェアラブルをプロジェクターとしても使えるようにし、それらのデバイス本体が持つディスプレイの限界…小さいこと…を克服する。同社はその技術をパートナーや顧客企業にライセンスし、初期の製品開発段階とプロトタイプ制作を支援し、それらの製品の本格生産までの道のりを助ける。
最近はウェアラブルが過剰にもてはやされまたGoogle Glassが話題になっているが、Lemoptixはすでに数社のパートナーと協働して、ウェアラブルのディスプレイをスマートグラスタイプのアプリケーションで駆動する研究開発を行っている。
LemoptixのCEO Marco Boellaは次のように語る: “Google Glassとそれを取り巻くメディア人気は、大きな市場効果をもたらした。おかげで今では、多くの消費者電子製品のメーカーが、バスに乗り遅れまいと研究開発に必死に取り組んでいる。私の知るかぎり、無関心を装っている企業はほとんどないね”。
彼によると、Google Glassのような製品は単独の消費者製品というよりも、スポーツ、医療、視覚障害者対策、設備や機械類のセキュリティとメンテナンス、バイク用のヘッドマウントディスプレイなど、いろんな応用分野に浸透していく。そのようにユースケースが多様化していくことが、同時に、製品やアプリケーションの多様化を惹起して市場がより健全になる。
ただし彼は、スマートウォッチに対しては懐疑的だ。“ウェアラブルディスプレイはスマートフォンの真の拡張や出力先になりえるが、スマートウォッチにはそれは無理だろうね”、という。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))