プロのデザイナーのツールになりえる細密な3DプリントペンLix, わずか2時間でKickstarterの目標額を突破

【抄訳】

3Dプリントペン3Doodlerは、本誌の同僚John Biggsが最近教えてくれたのだが、玩具としては楽しくても、道具としてはアホっぽい。大きいし、その出力はいらいらするほど不安定だ。でも作った人たちがベテランの玩具作者だから、目的は楽しいおもちゃなのだろう。

今回はイギリスのスタートアップが、同じねらいで、プロのデザイナーや建築家向けの精密な3Dプリントペンを作った。そのLixと名づけたペンは、昨日登場したばかりのKickstarterで目標額30000ポンドを、わずか2時間で超えてしまった。その翌日である今日は10万ポンドを超えた。締切りまであと29日もある。

3Doodlerとの違いを聞かれた協同ファウンダのAnton Suvorovは、こう言った:

“小さくて軽量な製品、そして電源はふつうのUSBポートから供給できる。われわれのLix Penは可搬性に優れ、使い心地も快適だ。3Doodlerは重くてでかくて使い辛くて電源は通常の商用電源だから実用的でない。Lixは、形状もすっきりしているし、何よりも、プロのためのクリエイティブなツールがねらいだ。スタイリストや建築家やデザイナーなど、3Dプリントに関心を持っていた人たちに、新しい仕事のやり方の可能性を開くだろう”。

Lixペンは確かに細い。いちばん太いところでも直径14ミリだ。空中でもプラスチックを押し出しできるので、立体物も作れる(いちばん下の写真)。押し出しのコントロールは、ペン先の近くにある二つのボタンで行う。

“3Doodlerは既存の3Dプリンタの部品を使っている。それなのに安くはない。うちは、特殊な素材を使って品質の良い部品を独自にまったくゼロから開発した。”。

Lixの三名の協同ファウンダは、まだLondon College of Fashionの学生で靴のデザイナーDelphine Eloise Wood、マーケティングとグラフィックデザインを専攻したIsmail Baran、そして経済学と応用美術を学んだSuvorovだ。

お値段は、Kickstarterの出資者向けには43~73ポンドだったが、すでに完売だ。10月の正式発売以降は85ポンドになりそう。まあ、既存/一般市販の部品をいっさい使わない、プロ向けのツールだから、こんなものか。ABS/PLA素材のリフィルは30個がワンセットで7ポンド(1個が10インチのフィラメント)、30個を約1時間で使い切る。

こんなものを、誰が何のために使うのかというと、スケッチやデザインプロトタイプを平面の上の図や絵でなくて、立体物でやりたいクリエイターたちすべてだ(ファッションデザイナー、ジュエリーデザイナー、などなど)。またもちろん、3Doodlerのように、遊びや美術作品の制作に使ってもよい。

要するにこのペンの価値は、イコール、あなたの想像力にある、というわけ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))