インターステラテクノロジズは12月23日、自社開発の観測ロケット「MOMO 5号機」を12月29日に打ち上げることを発表した。同社は堀江貴文氏が創業者の宇宙開発スタートアップ。これまでMOMO 1〜4号機を春や夏に打ち上げてきたが、冬の打ち上げは5号機が初となる。なお2号機、4号機は打ち上げに失敗しているが、2019年5月4日に打ち上げられた3号機は、日本の民間ロケットとしては初めて宇宙空間に到達している。
今回は、北海道広尾郡大樹町字晩成にある同社の公式ロケット打上げ見学場である「SKY-HILLS」での見学者を募集しているほか、大樹町生涯学習センターでの無料のパブリックビューイングを予定している。SKY-HILLSでの見学には、打ち上げ協力金として18歳以上は7000円、小学生以上は3500円が必要(小学生未満は無料)。なお、札幌駅から現地まで往復バス成温泉での昼食がセットになった日帰りバスツアーも用意されている。打ち上げの概要が以下のとおり。なお、気象条件や打ち上げ準備状況、その他複合的要因により、打ち上げを予備日以降に延期する可能性もある。
- 打ち上げ予定日時:2019年12月29日 6時45分
- 打ち上げ予定時間帯:05時15〜7時40分、11時10〜12時20分、16時10分〜17時10分
- 打ち上げ予備日:2019年12月30日、31日、2020年1月1日、2日、3日(12月30日以降の打上げ予定時間帯は、29日のものと同様)
- 打上げ場所:インターステラテクノロジズ 大樹ロケット射場(北海道大樹町)
従来機と同様にMOMO 5号機も、協賛企業などから託されたペイロード(積載物)を宇宙に運ぶミッションに挑戦する。同機は企業8社、個人1名から機体スポンサーからの支援を受けており、今回新たに三菱プレシジョン製の「小型ロケット用航法センサ」の搭載が決定した。
同センサは、誘導制御用、飛行安全用の2種類の用途があり、ロケットの位置や速度、姿勢、加速度、角速度などを計測できる。小型ロケット用航法センサは、インターステラテクノロジズが開発中の超小型人工衛星の軌道投入用ロケット「ZERO」への搭載も計画されており、今回の実証実験が成功すれば「ZERO」の開発を前進させるものとなるという。
そのほかのスポンサーとペイロードは以下のとおり。
- なにわ:お好み焼き北九州伝統の味なにわのロゴ
- IMV:大阪拠点の振動試験装置メーカーのロゴ
- 平和酒造:日本酒(紀土 純米大吟醸 宙へ!!)
- 高知工科大学:インフラサウンドセンサ(超低周波音マイク)
- チル:シーシャ(水タバコ)フレーバー&吸い口
- サザコーヒー:超高級パナマ・ゲイシャコーヒー
- 超電磁P(個人):自作の電子工作製作物
さらに、たこ焼きスイーツ「たこパティエ」を製造販売する瓢月堂が、MOMO5号機の打ち上げの際に噴出されるロケットの炎でたこパティエを焼き上げる地上ミッションも開催される。