今年のクリスマスお正月にぜひ買うべきゲーム機を、Nintendoは早くも、ちらちらと見せ始めている。今日(米国時間9/30)は、上のような超レトロふうのビデオをリリースして、NES Miniの3つの機能をデモしている。とんでもなくゲーム・オタクっぽいビデオだから、気を引き締めて見てちょうだい。
ふつうのプレーヤーにとって重要なのはセーブ機能だろう。Nintendoはそれを、中断点(suspend points)と呼んでいる。エミュレータやVirtual Consoleを使ったことのある人にはおなじみの機能だが、昔的なプレーヤーはびっくりして、反感を覚えるかもしれない。そのセーブ機能は、どんな時点でもゲームをセーブできる。ジャンプして空中にいるとき、ボスと出会った瞬間、中身が乱数化されている宝箱を開ける直前、などなど。自分が死んだり、ひどい目に遭ったとき、あるいはその部分を単純にもう一度プレイしたいときには、その‘中断点’をリロードすればよい。
しかも中断点は、一つのゲームに4箇所作れる。保存するときは、そのときの画面のスクリーンショットに天使のように翼(はね)が生えて(下図)、中断点に収まる。VCシステムよりもずっと良いが、一部のエミュレータには何年も前からある。
このセーブ機能は多くの人に喜ばれると思うが、上のビデオで紹介されるあと二つの機能は、ぼくのような、純粋オタク専用だ。まず、リフレッシュレートを50Hzと60Hzに切り替える機能がある。NTSCでなくPALの上ではゲームがやや遅いし、ヨーロッパのゲーマーは60Hzだとコントロールしづらいと感じるだろう。だから、配慮に富んだ機能だ。
次はディスプレイのモード。これこそまさしくオタク機能だ。このNESはほとんどの場合、RFアダプターや、もしかしてRCAケーブルを使って、4:3のテレビ画面でプレイされるだろう。ただし、NESは完全な4:3ではなく256x240pxだから、横幅を伸ばすことになる。いずれにしても今のテレビ画面の縦横比とは違うから、今NESのゲームをやってることはすぐに分かる。
NES Miniのディスプレイモードは、次の3種類だ(上の画像をクリックすると大きな画像になる):
- Pixel perfect, NESの出力そのままの、矩形の画面。これが理想的な形だが、多くのプレーヤーは異様に感じるかもしれない。狭いから距離が短く感じ、移動を遅く感じる。それは、誰もがはっきり感じる違いだ。
- 4:3, 昔のテレビと同じ比率に画像を伸ばす。ただしそのために、画像がややぼやける。
- CRT filter, アナログのCRTテレビ〔ブラウン管画面〕をシミュレートするオーバレイを加える。
どれにするかは、完全に趣味の問題だ。画質が良いのはPixel perfect、テレビでやるなら4:3か。
CRT filterは、一部では嫌われているが、そう悪くないと思う。これに凝っているかなり大きなコミュニティがあって、最近では古いテレビのブラウン管の前面カーブ(画面の湾曲)や狂った色調までシミュレートしている。色調は、ユーザーがいろいろ変えられる。デジタルのクリーンな信号に、わざわざノイズパターンを加える装置を(数百ドルも払って!)買う人たちもいる。
たしかにそれはクレイジーだけど、昔々リビングルームで、Final FantasyやMetroidを初めてプレイしたときのことを、忘れられない人びとがいるのだ。保証してもよいが、Nintendoの社内にもそういう人たちがいて、“CRTテレビ画面のシミュレーション”を頑固に主張したのだと思う。NES Miniのディスプレイオプションは3つに絞られたけど、最初はもっと多かったんじゃないかな。
なお、昨日の発表によると、日本におけるNES Miniは、最初のファミコンと同じ形になり(下図)、ゲームの揃い具合も、やや違う。
これも、楽しいかな?
NES Miniの発売は11月11日で、定価60ドル、日本のFamicom Mini(クラシックミニ)も、ほぼこれぐらいだろう(ドルではなく円だけど)。