クボタは10月6日、農業機械の自動運転分野においてNVIDIAと戦略的パートナーシップを結んだと発表した。NVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化の加速に向け協業することを発表した。クボタは現在、日本において従来型農機の自動化・無人化を推進中。今後は、次世代の完全無人農機の実現を目指すとともに、海外展開や作物展開を推進する予定。
クボタは国内農機メーカーに先駆けて、スマート農業の本格的な研究を開始しており、「農機の自動化・無人化による超省力化」や「データ活用による精密農業」の普及を目指している。GPSを活用した有人監視下での無人運転トラクターを発売するなど自動運転農機の開発を進めており、今後さらに、天候・生育状況などのデータから適切な農作業の判断と適時実行までを行える次世代の完全無人農機を実現すべく研究を進めているという。
そのため同社は、同一のコンピューティングアーキテクチャを持つNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを学習から推論(エッジ)まで導入し、開発を効率化することで市場投入の短期化を図る。例えばDGXシステムで農機に搭載された多数のカメラから入力される情報を解析し、AIモデルの学習を重ね、その結果をNVIDIA Jetsonに戻すことでモデルの精度を高められるとしている。
「農機の自動化・無人化による超省力化」の実現にあたっては、これまでクボタはコンピュータービジョンの実装で自動運転・無人化農機の開発を試みており、先に挙げた完全無人農機の実現に向け、今後はNVIDIAのエッジデバイス向けの組み込みAIプラットフォーム、NVIDIA Jetsonを活用し研究開発を進めていく。
NVIDIA Jetsonは高い計算処理能力・精度・電力効率に優れるほか、産業向け版は高耐久設計となっており、農業機械の過酷な環境に求められる要件を満たしているという。さらにエッジ側では、高精細なスクリーンスティッチングやエッジ検出において、リアルタイムでスムーズな処理が求められるため、NVIDIA Jetsonは最適であると評価した。
AIの学習側の環境としては、クボタはNVIDIA DGX AIシステムを導入し、研究開発を進めている。DGXシステムは、GPU向けに最適化されたディープラーニングソフトウェアのハブであるNGCをサポートしている。
開発者はディープラーニングの開発に必要とされる、統合済みのフレームワーク コンテナーを使用することで、AIモデルの設計やトレーニング、実験、展開を容易に実施できるため、研究開発から製品の市場導入までの時間を短縮可能。クボタは推論ライブラリー「NVIDIA TensorRT」を活用し、高性能な推論用のAIモデルの開発に取り組んでいるという。
カテゴリー: ハードウェア
タグ: NVIDIA、GTC、Jetson、人工知能・AI
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