ディスラプト適期を迎えている古いものは山ほどあるが、トランプのカードもその一つだ。トランプは空港やコンビニやスーパーマーケットで買うが、ネットで買う人はいない。しかしそれは、このKickstarterプロジェクトで変わるかもしれない。こいつは、ケブラー防弾ハンカチ以来の、大発明だ。
ポーカーをしているときに、誰かに銃を向けられたとする。でもこれからは、あわてなくてもよい。”Sly Kly”というグループが、トランプカードをケブラーや炭素繊維で作れば売れる、と発想した。ご存知のように、これらの素材は銃弾を通さない。トランプに防弾性を求めない人は、ぼくだけでなく、世の中に多いと思うが、このプロジェクトはすでに、25000ドルの目標額に対し倍近くの41000ドル余りを集めている。
ぼくはトランプカードの束(たば)を銃で撃ったことはないし、銃はほんまに嫌いやし、もちろん銃は持っていないが、でもふつうのトランプならどのカードにも穴が開(あく)くことは想像できる。ケブラーのは、ビデオで見るかぎり、弾の方がへこむ。
Sly Klyはこれらのカードが命を救う、とは言っていないが、たまたまシャツの胸ポケットに一箱のカードがあって、遠くからの銃弾がそこに命中したら、そのとき命が助かるかもしれない。
これらのカードは、折っても曲がらないし、破ることもできない。だから、長持ちするだろう。
カードはこんな、しゃれた金属製のケースに入っている。カーボンファイバー製が130ドルから、ケブラー製が135ドルからだ。防弾性のあるトランプのお値段としては、高くない。ふつうならもっと高い、とイメージするけどね、ぼくなんか。