世は「メーカーブーム」の時代だとも言えそうだ。そのような中、さらに時代の流れに拍車をかけようとするのがPrintooだ。プリンテッド・エレクトロニクスを活用した、文字通りフレキシブルなモジュール化パーツを利用できるようにしようとしているのだ。固い基板を用いないことで、ディスプレイや発光回路を瓶の中に入れて使うようなこともできるようになる。あるいは3Dプリントで作ったものの中にBluetoothモジュールをねじ込んで、スマートフォンなどからコントロールできるようにすることもできる。
Printooの目標は、プリンテッド・エレクトロニクスのモジュール化にある。さまざまに組み合わせて利用できるようにすることで、応用範囲を拡大していこうと考えているわけだ。回路作成についてもハンダ付けや配線を行わず、導電インクも利用できるように考えている。こうした仕組みを普及させようと展開しているKickstarterプロジェクトでも、余裕を持って目標額の2万ドルの調達に成功している。
Printoo曰く、これまではプリンテッド・エレクトロニクスはごく限定的な利用しかされてこなかったとのこと。プラットフォームをArduino互換とし、モジュール設計をオープンソース化することにより、こうした状況に変化をもたらそうとしているのだ。各モジュールのプラットフォームを共通化することで、リリースされたさまざまなモジュールを組み合わせて利用することができるようになる。現在利用可能なモジュールとしては、Blue SparkおよびEnfucellの激薄の柔軟バッテリー、Isorgによる光検出器、VTTによるLEDストリップ、Mekoprintによるポリマー太陽電池、そしてPrintooが製作しているエレクトロミックディスプレイであるYnvisibleなどがある。
Printooキットは45ドルのコアキット(3つのコンポーネントが同梱される)や95ドルのベーシックパック(7つのコンポーネントが同梱される)などが用意されている。Ultimate Blimp Packというのもあって、これには23種類のコンポーネントが入っている。価格ももちろんそれなりで、550ドルとなっている。入ってくるコンポーネントはディスプレイ、センサー、モーター、バッテリーパックなどといった具合だ。
LEDマトリクスや静電容量式センサなどの各種単体コンポーネントに加えて、Printooのシステムで用いるためのドライバーモジュールやコネクターなどもすべて含まれる。細かな設計についてはまだ手を加えているそうだが、出荷時には柔軟なボード上に実装される本体に加え、きちんとしたコネクターが用意されるそうだ。
Printooシステムを制御するためのアプリケーションも開発中なのだそうだ。利用方法を限定するためののものではなく、モジュール化したPrintooシステムをいっそう簡単に利用できるようにするためのものだとのこと。さらに教育用途での利用も視野に入れているのだそうだ。もちろん腕自慢たちは、自らどんどんハッキングして新しい用途を広げていくこともできる。
訳注:Kickstarterページにあるサンプルプロジェクトもぜひご覧ください。
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(翻訳:Maeda, H)