2018年にZendeskは、同社の中核であるカスタマーサービスソフトウェアとともに使えるCRMコンポーネントを顧客に提供するためにBaseを買収した。BaseのCRMは買収後に名称が「Sell」と変更された。米国時間1月17日、Zendeskは新たに「Sell Marketplace」の開設を発表した。
新たに開設されたマーケットプレイスの正式名称は「The Zendesk Marketplace for Sell」で、他社がここでSellプロダクトの機能を拡張するコンポーネントを共有できる。開設時点では、MailChimp、HubSpot、QuickBooksなどのコンポーネントが利用できるようになっている。
ZendeskのシニアバイスプレジデントでゼネラルマネージャーのMatt Price(マット・プライス)氏は、マーケットプレイスはSellをプラットフォームにするものであり、「ゲームチェンジャー」になり得ると見ている。同氏は、このマーケットプレイスをスマートフォンにおけるアプリストアのインパクトに例える。
「(スマートフォンが)単なるプロダクトから産業(の誕生)へと加速し、急激に変化して、プラットフォームとなった。このマーケットプレイスは、同じことをしつつある。優れたセールスツールであるSellをアプリで拡張し、あらゆる課題を扱えるようになる」と同氏は説明する。
プライス氏は、プロダクトの拡張にはいくつかの利点があると語る。まず、顧客は新しいアプリ開発フレームワークを使って専用アプリを作れる。これにより、Sellをそれぞれの環境に合わせ、例えば社内システムに接続したり独自の機能を構築するなどのカスタマイズができる。
また独立系のソフトウェアベンダーがカスタムアプリを作ることができる。これはプライス氏が指摘するように、ベンダーがこれまでZendeskのカスタマーサポート機能に関して手がけてきた内容のようなものだ。「Zendeskには独立系デベロッパーの大きなコミュニティがあり、Zendeskのサポートプロダクト(のためのアプリ開発)に携わっている。マーケットプレイスの開設で、デベロッパーが携わることのできるプロダクトをもうひとつ増やしたことになる」と同氏は語る。
さらに、パートナー企業各社のソフトウェアへの接続もできるようになる。例えばDropbox for Sellをインストールすれば、セールス担当者は書類をDropboxに保存し、Sellと組み合わせて扱える。
ZendeskがSell Marketplaceで始めたことは、もちろん目新しいわけではない。Salesforceは2006年にAppExchangeを発表して、CRMの世界にこのようなアプリストアのコンセプトを導入した。しかしSell Marketplaceによって、Sellのユーザーはそれぞれに固有のニーズに応じてプロダクトを拡張できるようになった。これは強力な追加機能になるかもしれない。
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(翻訳:Kaori Koyama)