ソーシャル翻訳サービスは、お金のあまりない企業にとっても世界を小さくし、より対応しやすい場所にする。というわけで東京のConyacには、目標が二つある: 1)従来の翻訳代理店に代わる速くて安いサービスを提供し、2)日本のスタートアップの海外進出を助けること。
2009年にローンチしたConyac、今では翻訳者数が全世界から60言語1万名に成長している。料金は、単品が3ドルから、月額契約が100ドルからとなり、実質納期はたいていの場合、発注確定後1時間以内だ。
Naoki Yamadaが創業したConyac(cognacと同じ発音)の社名は、日本の人気漫画“Doraemon”に出てくる特殊なこんにゃくゼリーに由来している。それを食べると、世界のどんな言葉でも話せるし理解できるのだ。
クラウドソースで翻訳をサービスするサイトは、同じく東京のGengoやOneHourTranslationをはじめ、いくつかあるが、Conyacはコミュニティによる多層的なリビュー過程に特長がある、とYamadaは言う。多層的というのは、結果がクライアントの手に渡る前にほかの翻訳者による評価が複数回行われる、という意味だ。また同社の翻訳者になるためには、最初に試験に合格しなければならない。
評価の良い翻訳者は、評価点が高くなり、翻訳の注文も多く舞い込むようになる。Yamadaによると、翻訳者が自分の仕事を評価される総回数は30回ぐらいである。また、特定の業界や分野が得意な翻訳者もいる。たとえば、Webサイトのローカライゼーションが上手、とか。
Conyac自身も、主に海外進出をねらう日本のスタートアップのためにWebサイトのローカライゼーションサービスを提供している。このサービスのユーザ企業の例としては、リアルタイムコラボレーションプラットホーム Nulabや、ニュース記事を多国語化するSD Japanなどがある。Conyacの翻訳者は、Webサイトだけでなくアプリケーションやソーシャルゲームなどもほかの言語へとローカライズし、またSEOのためのローカライズも行う。
今日までConyacは50万ドルの資金を、Skylight Consulting、Samurai Incubate、United、ANRIなどから調達している。社員は、20名が東京とサンフランシスコにいるが、もうすぐシンガポールとルクセンブルグにもオフィスを持つ予定だ。
Yamadaは、同社の今後の成長機会についてきわめて前向きだ。最初の2年間は売上ゼロだったが、昨年から月商5万ドルのレベルに達した。顧客の多くは日本の企業で、また翻訳者は日本在住がほとんど、一部、インドネシアやタイや中国などのアジア諸国にもいる。
“うちの翻訳のクォリティがもっと上がれば、今の翻訳代理店たちを完全にリプレースできる。それは、とっても巨大な市場だよ”、とYamadaは言う。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))