Raspberry Piマイクロコンピュータは25/35ドルと安く、多くのDIYハードウェアプロジェクトを育て、全世界で売上175万台に達した、と同製品をイギリスで作っているRaspberry Pi Foundation(RPF)が今日(米国時間10/8)発表した。最初のPiは2012年3月に発売され、イギリスのメーカーたちは当時、最初の年(2012)は1000台ぐらい売れるかな、と想像していた。しかし結局は100万台近く売れ、2年目の今年は200万に近づいている。
またイギリスにとって有意義なのは、製造をイギリスに移して以来、100万台のPiが作られたことだ。その工場はウェールズにあるSonyのPencoed工場で、100万台のPiはそこで生まれた。
最初は、安価な電子製品の常としてPiも中国で作られていた。しかしRPFはイギリスのスタートアップであり、製造過程を頻繁に気楽に見回れるためにも国内で作りたかった。また、イギリスの製造業を育てたいという意図もある。そこでSonyが選ばれ、そのPencoed工場が今日、100万台めのPiを世に送った。
つまり175万台のうち75万台が中国で作られたことになる。PiのメインのディストリビュータであるPremier Farnell/element 14が製造をすべてウェールズに移したのは今年の3月だったが、今でも一部はイギリス以外で作られている。
この太陽光発電で動くFTPサーバのように、Raspberry PiはDIYハードウェアのプロジェクトに使われてコミュニティを活発化しているが、それと同時にPiは、学童たちのプログラミング入門を助けている〔Piの最初のねらいがそれ〕。今年の年初には、Googleがイギリスの学童に15000台のPiを寄付するための100万ドルの基金を立ち上げた。またアフリカでも、学校のコンピュータ教室の基本装備として採用されている。
今年の4月の、出荷台数120万台の時点でRPFは、出荷先の国別分類を発表した。およそ98%がイギリスやアメリカなどの西欧諸国だ。PiのファウンダEben Uptonによると、途上国への普及がこれからの大きな課題だという。
具体的にはたとえば、ディストリビュータのRS Componentsは今では南アフリカに在庫を置いている。アフリカ南部の諸国に、迅速に出荷できるのだ。“一つ一つイギリスから送ることに比べると配送コストも安いし、確実な配達ができる。どんな物でも、ヨーロッパからアフリカに直接送るのは問題が多い”、とEbenは語る。
“南米市場も開拓したいが、輸入関税の高い国が多いから、上手なやり方を今研究中だ。まだ発表の段階ではないが、重視している市場であることは確かだ”、と彼は言う。
さらにこのところ、アジア向けの出荷が伸びている。“国別で言うと、総台数で最大は合衆国、人口一人当たり台数で最大はイギリスだが、今ではアジア市場、とくに日本と韓国とフィリピンが対前月比の伸びでは最大だ”、とUptonは言う。
今日の100万台めのPiは、どこへも行かない。“Sonyが、保存用の金貼りのケースを作ってくれた。ケンブリッジのPi Towersに展示して自慢したい”、ということだ。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))