いろんな航空アプリケーションを自作・テスト・実稼働できるプログラマブルクヮドコプターSpiri

Half Life的な未来、空中に停止した目のようなセンサが、そこらを行き来する人間肉袋の姿をとらえる、そんな悪夢のような未来を作るためには性能の良いクヮドコプターが必要だ。Spiriはどうだろう? このプログラマブルなクヮドコプターはしかし、各種の航空アプリケーションを作るためのプラットホームがねらいだ。プログラムによって完全自動飛行するので、隣の家をスパイするためのアプリケーションをテストするために、難しい操縦テクニックは要らない。アタマにきた隣人が石を投げても、ボディも回転翼も強化カーボンファイバリボンでできているので、数発なら耐えられる。

このクヮドコプターのOSはLinux、それにセンサー各種、カメラ数台、そしてWiFiを搭載している。つまり、これの上で今後いろんなアプリケーションを作ってテストおよび実稼働ができる。クラウドからのサポートと開発ツールもある。あまりデベロッパフレンドリーでないテストプラットホームを使うと、アプリケーションよりも機の飛行制御に苦労しなければならないが、Spiriは前述のように、専用プロセッサを使った自動制御だ。だからあなたは安心して、心ゆくまでコンピュータヴィジョンのアルゴリズムをテストできる。お隣のTrilby氏の家の庭の、物置小屋の中を覗けたかな?

Spiriを作ったカナダの連中は、デベロッパのコミュニティを作りたい、と望んでいる。だからAPIがあるし、分散アプリケーションも作れるプラットホームになっている:

われわれのAPIと飛行プリミティブを集めたライブラリ、およびそのほかのベーシックなコマンドを駆使してデベロッパは、メインチップの上で動くコードを構築できる。その環境は、Ubuntu LinuxとROS(Robot Operating System)だ。このオープンソースのプラットホームを、ホビイストとエンジニアと科学者たちから成るコミュニティが支えている。エンドユーザはシンプルなスクリプトを使えるし、アプリケーション開発のためのネイティブなプログラミング環境もある。また、今開発中のSpiri Applications Platformを使えば、デベロッパは自分のアプリケーションのユーザベースをSpiriのコミュニティ内で拡大できる。

ユーザのアプリケーションを動かすメインプロセッサは、1GhzデュアルコアのARM Cortex A-9だから、性能は中級機のAndroidスマートフォンなみだ。Spiriに適した航空アプリケーションの例としては、都市部の地図作成、ビルのメンテナンス、などが考えられるという。もちろん、Spiriよりも前にあなたの想像力/創造力が大きく飛翔すれば、どんなすばらしいアプリケーションでも生まれるだろう。

Spiriの作者たちは今、Kickstarterで12万5000ドルの資金を募集している。クヮドコプター本体だけなら出資額520ドル、開発キット込みなら575ドルだ。発売予定は、来年の4月である。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))