Stack Overflowが急成長中の企業内で知識を管理、共有する新SaaS「Teams」に無料版追加

Stack Overflowは、プログラマーのためのデフォルトのQ&Aサイトだ(初歩的でない高度な質問ならStack Exchangeもいい)。しかしCEOがPrashanth Chandrasekar(プラシャント・チャンドラセカー)氏に代わった最近の1年半で、同社のSaaSサービスのフォーカスが、同社の新しいプロダクトであるStack Overflow for Teamsに移ってきた。このTeamsは企業にStack Overflowのプライベートバージョンのようなものを提供し、主に1つの企業内で知識を管理し共有する。これまで、Teamsを利用できるのは、有料ユーザーと短期の試用者だけだったが、米国時間3月19日からStack Overflowそのものがフリーミアムになり、その一環として無料プランも常時あるというかたちになる。

本日の発表前にチャンドラセカー氏が語ったところによると、2020年夏のStack Overflowの8500万ドル(約92億6000万円)のシリーズEは、もっぱらTeamsとSaaSの成長の加速に力が入れられた。「Teamsに本格的な投資をしたかった。私たちの基盤はコミュニティとパブリックなプラットフォームにあるが、それをプロダクトをベースとするSaaS企業に変えようとするため、それはとても大きなフォーカスになる」とチャンドラセカー氏はいう。

画像クレジット:Stack Overflow

この分野にはとても多くのプロダクトがあるが、それらの中でもStack Overflow for Teamsは2020年に急速に成長した。その年の経常収益は前年比で72%伸び、同社によるとTeamsの顧客は1500社増え、そのうち70はハイエンドなエンタープライズティアのユーザーだという。現在のTeamsの顧客にはBoxやMicrosoft、Bloomberg、Instacart、それにZapierなどがいる。

新しいフリーミアムの方は50席に制限されるが、多くの場合、すべての機能が完全に揃ったソリューションであり、Teamsのコア機能のすべてがある。また同サービスのChatOpsの統合もあり、さらにSlackやMicrosoft Teamsをサポートしている。最近は「Teams」という名前のプロダクトが増えているようだ。ただし、無料のサービスはシングルサインオンをサポートしていない。そのためにはベーシックティアの有料プランが必要だ。エンタープライズティアはSOC II認証でシングルテナントのインスタンスで動くが、フリーとベーシックとビジネスのティアにはそれがない。

ノーコードプラットフォームUnqorkの、イネーブルメントのトップであるOlga Gomonova(オルガ・ゴモノワ)氏は「UnqorkではStack Overflow for TeamsとそのSlack統合を使って、クリエイターが生産性の高いやり方で互いから学ぶことができ、それによりクライアントが私たちのプラットフォームでソリューションを開発する工程をサポートできるようにしている。Stack Overflow for Teamsを社内と対外用に実装してからは、クライアントや社内からの質問に答える時間を60分から30分に減らすことができた。また、私たちのような成長途上の会社でも、新規雇用者のオンボーディング(新人研修やオリエンテーション)を速くできるようになった」という。

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欠けている機能は、Stack Overflow for Teamsの長いコンテンツのフォーマットであるArticlesフォーマットや、同じような質問を1カ所に集めたCollectionsを、たとえばオンボーディングのワークフローや、従来からのFAQのドキュメントの代わりに使うことだ。Stack OverflowのCPOであるTeresa Dietrich(テレサ・ディートリッヒ)氏によると、Articlesは2020年8月にローンチしてから同社の50%ほどが採用したという。また最近では、Teamsの非公開フィードバックを導入した。

「これまでのSOのように一般的に公開されているQ&Aサイトと違い、社内利用ではコンテンツを否定的に評価することが難しい。非公開フィードバックによって、その障害がなくなった。今ではコンテンツのライターとのプライベートな会話で、足りないものを指摘したり、『それは古いよ』『違うよ』ということができる。フィードバックにテキストをつけると、それはそのコンテンツのオーナーにだけ見える」とディートリッヒ氏はいう。

フリーミアム化にはまだ少々時間がかかる。チャンドラセカー氏とディートリッヒ氏のいずれも、Teamsの30日間トライアルにはクレジットカードは不要という。以前は必要だった。チャンドラセカー氏は「無料のトライアルを期間限定にするのは無意味だとわかるまで時間がかかった。今では、それはいつでも無料だ」と語る。

ディートリッヒ氏はさらに、この無料版を立ち上げる前に、同社はそれを確実に、オンボーディングのワークフロー向けに最適化した、と語っている。

カテゴリー:ソフトウェア
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画像クレジット:anucha sirivisansuwan/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)