今Kickstarterに出ているMozbiiは、子どもたちのまわりの世界をクレヨン箱にしてしまう、すばらしいスタイラスだ。すでに目標の3万ドルを突破しており、資金募集は9月27日で終る。
たしかに、色を拾うスタイラス(カラーピッカー)はすでにあるが、Mozbiiなら二歳の子どもでも使える。ご覧のようにぺろぺろキャンディーのような形をしていて、首の部分は曲がる。ヘッドには色をRGBのデータで拾うカラーセンサがある。首の近くの小さなボタンを押すと、そのときの色を拾う。使い方は、ヘッドを目的の物にあててボタンを押すだけだ。というか、ボタンに指をあてた状態でヘッドを物に押し付けると、その圧力でボタンが押される。だから、まだ運動能力が発達していない幼児でも十分に使える。
センサが色を確実に拾ったら、ヘッドのセンサと反対側にあるLEDが点灯する。拾った色はMozbiiのアプリに保存され、そのままお絵かきの色として使える。磁石式の充電ヘッドは、子どもにも使いやすい。
Mozbiiスタイラスとそのアプリを作ったのは、台湾のUfro、ファウンダはJeremy Shuだ。
それまでAppleの管理職だったShuは、自分の子どもを見ていて、子どもたちの学習のためのプロダクトを作ろう、とひらめいた。彼の息子と娘が中国語と英語の二ヶ国語を使う学校から英語だけの学校にかわったとき、二人は勉強についていけずに成績が落ち始めた。Shuは彼らに勉強を強制せず、スポーツでも音楽でも美術でも、なんでも好きなことをするよう勧めた。子どもたちがクリエイティブなことに取り組み始めてリラックスすると、成績のほうも良くなってきた。
Shuによると、Mozbiiでは子どもたちが自分のまわりの世界と対話しながら創造性を育むという。私もMozbiiをUfroのオフィスで試したが、使いやすいし正確なので感心した。蘭の花の紫色の部分など、はっきりした色の方が、良いようだ。逆に、肌の色など微妙な色は、正確に再現されない。でも色調の変化はちゃんと捉える。アプリが保存できる色は、12色までだ。
私がMozbiiで気に入ったのは、長時間タブレットに没頭しているような子どもでも、これを使うとまわりの世界に関心を持つことだ。たとえば一つの桃でも、センサをあてる場所を変えると、いろんな色を拾う。また、自分の好きなおもちゃの色を拾うこともできる。
将来的には、Mozbiiに色だけでなく、文字や数字や音楽も拾わせるようにしたい、とShuは言っている。
Mozbiiはすでに最終的なプロトタイプに達しているので、最初の100名の支援者へは来月中に発送できる。そのほかの支援者には、11月の予定だ。Mozbiiを一本もらえるためには64ドル以上を出資すること。詳しくはKickstarterのページを。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))