VimeoがVimeo On Demand用の作品を作る人たちのために$10Mのファンドを用意–広告依存からの脱却を目指す

VimeoがミニVCになった!?。同社は1000万ドルのファンドを整えて、一定期間Vimeo On Demand独占封切で提供されるビデオ作品に資金を提供するのだ。

このIAC傘下のビデオサイトがVimeo On Demandをローンチしたのは1年前で、これによりビデオの作者は作品へのアクセスに課金できるようになった。また昨年秋のToronto International Film Festivalでは、ビデオの独占権に対し1万ドルのアドバンスを払うと発表し、さらに1月のSundanceではクラウドファンディングされるビデオに合計で50万ドルを支援すると発表した。

Vimeoのオーディエンスネットワーク担当ゼネラルマネージャGreg Claymanによると、上記のような初期の支援努力に対する反響がすさまじく大きく、数百件もの申し込みがあったので、今回のような本格的なファンド整備に至った。クラウドファンディングで1万ドルを達成した作品や、世界の20の著名な映画祭のどれかに参加した作品への支援は、これまでどおり続ける。また、個々の優秀作品だけでなく、Vimeoの集客力に貢献する一連の作品集にも投資を行う。

1000万ドルには、現金のほかに、Webサイト開発とか翻訳など、サービスの無料化も含まれる。

VimeoのCEO Kerry Trainorによると、YouTubeみたいな広告ベースのエコシステムも継続するが、しかし有料配布は“巨大な未開拓の機会だ”と見ている。この機会に対してVimeoは、今回の投資環境整備でアドバンテージを取りたいのだ。

なお、同サイトの1月のユニークビューワーは1億6800万で、過去最高、そして前年同期比では80%増となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本気のビデオ作家がYouTubeよりもVimeoを選ぶ理由, 最新プレーヤーは完全HTML5になり強力な差別化要因はもっともっとある

これまで何年間も、Vimeoの強力な差別化要因は、単純にそのユーザ体験、そしてそれは主に同社のビデオプレーヤーに由来している。さまざまなアーチストたちや、表現にこだわるビデオ作家がYouTubeではなくVimeoをアップロード先に選ぶのは、それが理由の一端だ。

しかしそれでも、当のVimeo自身は、そのユーザ体験やビデオプレーヤーにまだ改良の余地がある、と考えていた。そしてビデオプレーヤーに関してはなんと、新たにゼロから再設計し、高速化、アクセス門戸の広さ(==デバイスやプラットホームの違いを不問)、そして美しさの実現に努めた。

Vimeoの新しいビデオプレーヤーは現時点では世界最速、ビデオのロードは一瞬で終わる。同社自身の従来のロード時間の、半分になっただけなんだけど。またユーザの指示等に対する反応も素早いし、HTML5がベース、したがって、ほとんど、どんなブラウザでも、プラグイン不要でビデオを再生できる。

上で述べたアクセス門戸の広さは、HTML5に因(よ)るところが大きい。今や、デスクトップでもモバイルでもタブレットでも単純にブラウザ上でOKだ。スクリーンリーダーやボイスオーバ(あとのせ音声)も旧版と互換性があり、ビデオの作者はクローズドキャプションや字幕の翻訳をつけられる。

Vimeoのプレーヤーは共有もやりやすい。メールで友だちに送れるし、ソーシャルネットワーク上に投稿したり埋め込んだりもできる。

そして、何といっても最大の新機能はプレーヤー内トランザクションだ。同社のVimeo On Demandサービスを使ってビデオを売ることが、とてもやりやすくなった。ビデオの作者はプレーヤーの中に、それを売る機能を加えられるのだ。

Vimeoは同社のオンデマンド機能の普及~大衆化にこのところ力を入れている。多くの人が進んで利用できるように、Vimeoは売上の10%しか取らない(どこかのように30%ではない)。またプレーヤー上で気楽に買えるようになったので、いわゆるコンバージョンレート(見る→買うへの変換の率)も高まるだろう。買うためにわざわざほかの場所に行かなくてもよいのだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))