シリコンバレーのこれまでの経験ではイノベーションというものは、政府の力を借りて起きるのではなく、政府の妨害にもかかわらず起きるものだった。しかしアクセンチュアの戦略担当シニア・ディレクター、Anand Shahによれば、政府は経済成長を加速するために果たすべき重要な役割があるという。
ただし、政府の役割はニューディール時代のTVAのようなインフラ構築と失業対策を目的とするトップダウンの巨大投資ではない。Shahは世界経済フォーラム(WEF)が先ごろ発表した産業のデジタル化についてのレポート(Digital Transformation of Industries)の主要な筆者の一人だが、 政府の役割をビジネスに対する重要な協力者ととして位置づけている。
Shahは「政府は新しいイノベーションが起きている領域、たとえばドローン分野で民間と協力していく必要がある」としている。現在この領域は古臭い規制によって足を取られており、本来の可能性を活かすために苦闘してるところだ。政府にとって最大の課題は、イノベーションを起こすような新しいテクノロジーをゼロから作ることではなく、イノベーションの足を引っ張る規制を撤廃して真の可能性を解放(unlock)するところにある。
WEFのレポートは政府がデジタル経済の可能性を解放した場合、その「社会的価値」は向こう10年で3兆ドルに上ると試算している。
ヒラリー・クリントンにせよドナルド・トランプにせよ、WEFのレポートを読まないとしたら非常に残念なことだ。Anand Shahがビデオでも説明しているとおり、イノベーションが価値を発揮するのは政府と民間の協調による。政府は規制の壁を築いたり、経済の自由な活動を圧殺したりしてはならない。
現代のネットワーク時代においてはとりわけスピードがものをいう。機敏に動ける協調性を実現できるかどうかが政府にとって大きな挑戦となるだろう。
このインタビューの実現にあたってはいつものとおり、CALinnovatesの絶大な協力を得た。
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〔日本版〕本文中にもリンクがある世界経済フォーラムの白書(pdf)にはデジタル経済を加速させるテクノロジーの例として、スマートフォン、ドローンを始めとして、3Dプリンティング、DNA解析、太陽光発電、自動運転用lidarなどが取り上げられている。また2013年に事実上ゼロだった消費者向けエレクトロニクス/IoTのシェアがわずか2年後に6%を占めるようになったことが円グラフで示されている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)
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