「ディープフェイク」リベンジポルノがバージニア州で禁止に

バージニア州は現行のリベンジポルノ法を拡張し、最近増え始めた機械学習を利用してビデオや画像を加工する「ディープフェイク」を対象に加えた。

米国時間7月1日に発効した同法は、本人の許可なく裸の写真やビデオをシェアすることを違法とするもので、本物であるかフェイクであるかを問わない。識別が困難なディープフェイク画像や動画だけでなく、Photoshopなどで加工されたものなどあらゆる加工済み画像や動画も含まれる。

バージニア州は、2014年以来リベンジポルノ法が施行されている。しかし、ソフトウェアの進歩によって普及した加工済みの画像や動画を適切に扱っていなかった。

驚くべき速度で進化する技術に、州や国の立法府はついて行けていない。ディープフェイクによるリベンジポルノの被害者は、現行法が対応していないために拠り所がなかった。そう、ディープフェイクポルノは実在するのだ。DeepNudeというアプリは、世間からの当然の非難を受けて作者が取り下げるまで、ニューラールネットワークを利用して着衣の女性を裸の画像に変換していた。

立法府もさまざまな形で対応している。例えば、米国議会ではDEEPFAKESの責任に関する法案が、Yvette Clarke(イベット・クラーク)下院議員(民主党・ニューヨーク州選出)によって提出された。 同法は、加工済みメディアを本物のビデオや画像として公開、シェアすることを禁止している。

提案されている連邦法は、人物を模倣したフェイクビデオやフェイク画像を広い範囲で規制している。合成メディア・コンテンツを公開する者は、それが加工あるいは生成されたものであることを「削除不可能なウォーターマークおよびテキストによる説明」によって告知する義務を負う。同法によって被害者は、作者を訴訟したり法廷で「自らの名誉を回復する」権利を得る。

英国政府は、悪質で侮辱的なデジタルコンテンツの高まりを受け、合意に基づかない性的画像の作成・公開に特化した法案を検討している。

同法を検討している委員会は、リベンジポルノだけでなく、ディープフェイクポルノや、Bluetoothなどを利用して近くにいる人に性的画像を送りつけるサイバーフラッシングなどの行為も対象にしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。