アイダホ州の囚人たちが刑務所支給のタブレットで20万ドルあまりのクレジットを偽造

アイダホ州の囚人たちが、刑務所が支給したタブレットのソフトウェアを使い、外界との唯一のつながりである同機の上で25万ドル近いクレジットを偽造した。そのタブレットは刑務所向けに各種サービスや物品を提供している大手事業者JPayが作ったもので、囚人たちはそれを使って、メール、音楽を聴く、送金するなどのタスクができる。一部のサービスは、有料だ。

Associated Pressの記事によると、364名の囚人がソフトウェアの脆弱性を利用して、JPay上の自分の口座の残高を増加させたことに、アイダホ州の刑務所の職員が気づいた。アイダホ州では、JPayはCenturyLinkとパートナーしている。後者はソフトウェアの脆弱性を認めたが、詳細は何も語らず、その後問題は解決した、とだけ述べた。

JPayを悪用した364名のうち、50名の囚人は自分自身に1000ドル以上のクレジットを発行することができた。1万ドル近い者もいる。合計22万5000ドルの被害額の約1/4はJPayが回収できたが、盗まれたクレジットの全額が返済されるまで一部のサービスは中断される。

アイダホ州の矯正局は次のように声明している: “この行為は不慮の事故ではなく意図的である。それはJPayのシステムに関する知識を必要とし、システムの脆弱性を悪用した囚人たちは、各人が複数回のアクションにより自分の口座に不正に与信した”。

JPayのシステムを悪用した者たちは、アイダホ州の複数の刑務所に分散して収監されている。それらは、Idaho State Correctional Institution, Idaho State Correctional Center, South Idaho Correctional Institution, Idaho Correctional Institution-Orofino, そして民営のCorrectional Alternative Placement Planの建物だ。

JPayは同社のWebサイトでこう述べている: “弊社は矯正行政において信頼性の高い名前として知られている。なぜならば弊社は、高速で安全な送金方法を提供しているからである”。…今度の事件で、この‘安全’の部分にクェスチョンマークが付くだろう。同社は、35の州の刑務所にサービスを提供している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。