アジャイル的SaaSでコードデリバリを円滑化するWerckerがシード資金を獲得

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クラウド上の継続的デリバリ*サービスWerckerが、高名な投資家たちのグループからシード資金を獲得した。そのラウンドを仕切ったのはShamrock Ventures、これにGreylock Venture Partnersとアムステルダムの小規模VC Vitulum Venturesが参加した。Vitulumは、インターネットやモバイルのスタートアップにシード資金を提供している。額は公表されていないが、情報筋によると100万ドル弱という。〔*: continual delivery, 用語としてはcontinuous integration(継続的インテグレーション)が一般的(Wikipedia(jp))。〕

Werckerの上でデベロッパたちは、コードのテストとデプロイを頻繁に行うことができる。デベロッパはこのSaaSプラットホームに少量のコードを速いペースでプッシュしていく。その過程で彼らは互いに対話や調整ができ、コードをプッシュしていくことがソーシャルな営為となる。その目的は、開発過程の迅速化だ。

新進のスタートアップWerckerには、すでに著名な支援者が数多くいる。同社の顧問団は、Dan Harple(Shamrock Venturesの常務でMITのEIR)、Jan Pieter Scheerder(SunSoftの元社長)、Arthur van Hoff(Redpoint VenturesのEIRでFlipboardの元CTO)らを擁している。

WerckerはアムステルダムのインキュベータRockstart Acceleratorで2012年に孵化し、最近ではMozillaのWebFWDプログラムにも参加した。アムステルダムと、マサチュセッツ州ケンブリッジのMITに拠点を置く財団NexusLabsが、そのイノベーション振興事業の一環としてWerckerを支援し、彼らのピッチ(pitch,資金集めのための売り込み)を磨いて合衆国のベンチャーキャピタルたちの関心を喚起した。

Werckerは、デベロッパのビルド工程を助けるサービスとしては新しいタイプだ。GitHubは、デベロッパたちがコードをポストしてコラボレーションする方法を提供している。Herokuのようなサービスはアプリケーションを開発するためのPaaS(PaaS)を提供し、アプリケーションのデプロイ(展開)はAmazon Web Services(AWS)で行う。Werckerは、これらの中間的な線をねらっていて、APIによってGitHubやHerokuに接続するとともに、その前後の付加的なサービス〔==継続的インテグレーションの実現〕を提供する。

ファウンダでCEOのHernandez van Leuffenによると、今はVMwareのPaaSであるCloudFoundryの統合を検討している。それによって、企業のハイブリッドクラウドやプライベートクラウド市場にアクセスできるようになる。また同社のサービスをHerokuのAdd-On Marketplaceに加えることや、AWS向けにビルドサービスの導入も考えている。今現在、Werckerは非公開ベータだ。

Werckerのようなサービスは、まだ競合他社がいないように思える。新しいカテゴリーのデベロッパコラボレーションプラットホームだからだ。サービスの今後の拡張も可能だから、AWSのようなデプロイPaaSがサービスメニューの一環としてWerckerを取り入れることも、ありえるだろう。

〔参考資料(1)、(2)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))