企業向けパスワードマネージャー「Passwordstate(パスワードステート)」を開発しているオーストラリアのソフトウェアハウスClick Studios(クリック・スタジオズ)は、同社のパスワードマネージャーがサイバー攻撃を受けたため、顧客に組織全体のパスワードをリセットするよう警告を出した。
Click Studiosが顧客に送信した電子メールによると、同社は攻撃者が顧客のパスワードを盗むためにパスワードマネージャーのソフトウェアアップデート機能を「侵害」したことを確認したという。
ポーランドのニュースサイト「Niebezpiecznik」が現地時間4月23日にTwitter(ツイッター)に投稿したこのメールには、悪意のあるアップデートによって4月20日から22日の28時間の間に、Passwordstateの顧客が無防備な状態になったと書かれている。この悪意のあるアップデートは、一度インストールされると、攻撃者のサーバーに接続してマルウェアを取得。このマルウェアがパスワードマネージャーの情報を盗み出し、攻撃者に送り返すという仕組みだ。メールでは「Passwordstateに含まれるすべてのパスワードのリセットを開始する」ように顧客に伝えている。
Manager haseł PasswordState został zhackowany a komputery klientów zainfekowane.
Producent informuje ofiary e-mailem.
Ten manager haseł jest "korporacyjny", więc problem będzie dotyczyć przede wszystkim firm… Auć!
(Informacja od Tajemniczego Pedro) pic.twitter.com/PGHhmEKpje
— Niebezpiecznik (@niebezpiecznik) April 23, 2021
パスワードマネージャー「PasswordState」がハッキングされ、顧客のパソコンが感染した。
メーカーは被害者にメールで通知している。
このパスワードマネージャーは「企業向け」なので、この問題は主に企業に影響を与える…これは痛い!
(情報元:謎めいたペドロ)
Click Studiosは、攻撃者がどのようにしてパスワードマネージャーのアップデート機能を侵害したかについては明らかにしていないが、顧客にはセキュリティ修正プログラムをメールで送信している。
同社によると、攻撃者のサーバーは4月22日に遮断されたという。しかし、攻撃者がシステムを再びオンラインにすれば、Passwordstateのユーザーは依然として危険にさらされる可能性がある。
企業向けパスワードマネージャーは、それを使用する企業の従業員たちが、ファイアウォールやVPNを含むネットワーク機器、共有の電子メールアカウント、内部データベース、ソーシャルメディアアカウントなどのパスワードやその他の機密情報を、組織全体で共有できるようにするものだ。Click Studiosの主張によると、Passwordstateはフォーチュン500企業、政府機関、銀行、防衛・航空宇宙そしてほとんどの主要産業を含む「2万9000以上の顧客」に使用されているという。
被害に遭った顧客には、米国時間4月23日早朝に通知が届いたが、この侵害のニュースが広く知られるようになったのはその数時間後、デンマークのサイバーセキュリティ企業であるCSIS Group(CSISグループ)が攻撃の詳細をブログに掲載してからだ。
Click Studiosの最高経営責任者であるMark Sanford(マーク・サンフォード)氏は、オーストラリアの営業時間外に行われたコメントの要請に応じなかった。
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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Click Studios、Passwordstate、パスワードマネージャー、マルウェア、パスワード、ハッキング、サイバー攻撃
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)