「天気」はモバイルデバイスで最もよく使われるアプリの1つでありながら、アップデートや新機能の動きが最も少ないアプリの1つでもある(筆者は英国に住んでいるが、英国などの国では国民が常に天気を気にしているし、実際に1時間のうちに天気が変わる。天候にとらわれているのだ!)。だから米国時間6月7日のWWDCでApple(アップル)がついにネイティブの天気アプリを大幅にアップデートしたことはすばらしい。
おそらく、かなり前に主要なデータプロバイダとしてYahooをやめ、The Weather Channnelを採用して以来の大きな変更だろう。
インターフェイスが完全に刷新され現在見ている場所の天候を反映したアニメーションが表示されているが、最新のアップデートでは風や雨、晴れ、スモッグ(ない方がよいが)がさらにダイナミックに動くようになる。Appleによれば、太陽の位置や雲、降水量をもっと正確に表現できるように、何千もの新たなバリエーションを用意しているという。
これに加え、データポイントを増やして気温や降水量だけでなくもっと幅広い情報を表示するダッシュボードも公開した。風、UV指数、気圧などのグラフィックスがある。さらに全画面で高解像度の天気図に対応し、降水量や雲の変化、空気質、気温が表示される。まるで自分専用のお天気アシスタントのようだ。
このような機能は以前から待たれていたが、驚くようなものでもないし、天気アプリ全般に根強い人気がどの程度あるかという問題だけでもない。
2020年3月に、Appleが天気アプリスタートアップのDark Skyを買収したことが明らかになった。買収によってサービスを停止する前は、Dark SkyはiOSとAndroidで最高の天気アプリの1つだった。
関連記事:Appleが天気アプリDark Skyを買収、Android版は7月で終了
繰り返しになるが、天気アプリは驚くほど軽視される傾向にあり、特に人気が地味であることを考えると、誰かが天気アプリを改善しようする取り組みはおそらくいつも重視されてこなかった。しかしKickstarterのプロジェクトから始まったDark Skyの取り組みは正当に評価された。
買収以降、Appleが天気アプリに雨を降らせるまでにこれほど時間がかかった理由は不明だが、ついに実現してよかった。
もちろん、Appleが今度の週末のキャンプを晴れにする魔法を使うわけではないが、今回発表されたアップデートはデータ好きの人々が今後の天候を予想する楽しみや、うまくいけば長靴を車に積むスペースが必要かどうかを判断するための詳しく正確な情報をもたらしてくれるだろう。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Apple、WWDC 2021、WWDC、天気
画像クレジット:Apple
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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Kaori Koyama)