アメリカ政府は、多くの論争を招いていた航空機へのラップトップ持ち込み禁止を、三つの主要エアラインに対して解除した。
解除が即刻有効になるのは、Etihad AirwaysとEmirates Airline、そしてTurkish Airlinesだ。これらの中東からアメリカへの便では、ラップトップやタブレット、eリーダーなどの電子機器の持ち込みが許される。残る6社(Royal Jordanian, EgyptAir, Turkish Airlines, Saudia, Kuwait Airways, Royal Air Maroc, Qatar Airways, Emirates, Ethiad Airways)は、禁止が持続する。
国土安全保障省は、3月に禁令を公布した。禁令は中東の10の空港からアメリカへ向かうすべてのフライトに適用され、それには重要な空路ハブであるドバイ、アブダビ、ドーハ*(カタール)も含まれる。〔*: 原文ではDoharとなっているが、間違いであろう。〕
今日のデジタル時代においてそのような禁令は先例がなく、国の安全を強化するための策である、として正当化された。
お役人たちからの、具体的な脅威に関する説明はなかったが、諜報活動の結果として、一部のテロリスト組織が消費者電子製品に爆発物を隠してひそかに旅客機内に持ち込むおそれがあるための決定、とされた。
これら政府高官たちによると、2016年2月の、ジブチからモガジシオに向かうDaallo航空159便の墜落は、この種のデバイスによるもの、とされた。今日の禁令を1年以上前に起きた事件で説明するのは、ちょいと厳しいのではないかな。
実際には、この禁令は実施が困難だった(中東からアメリカまでのフライトに乗ったことのあるぼくが言うのだから間違いない!)。 空港における通常のチェックインと違って、それは形式化されていないので、行列でむやみに時間を浪費した。荷物のチェックが通常のチェック以外に繰り返され、見つかった電子機器はひとつひとつ箱に入れられた。
同様の禁令がヨーロッパからアメリカへ向かう便にも適用されるという噂もあったが、実現はしなかった。今回一応、数社で解除されたのだから、適用範囲が今後広がることはないだろう。でも2017年のアメリカ政府の現状を見るかぎり、何が起きても不思議ではない。