イスラエルのAIチップメーカーHailoがNECなどから約64億円調達

イスラエルのAIチップメーカーであるHailo(ハイロ)は3月5日、既存投資家がリードするシリーズBラウンドで6000万ドル(約64億円)を調達したと発表した。本ラウンドには新規の戦略投資家としてスイスを拠点とする多国籍企業ABBのベンチャー部門であるABB Technology Venturesや、日本電気(NEC)、英国ロンドンのLatitude Venturesも参加した。調達した資金はHailo-8ディープラーニングチップの展開と新たなマーケットや産業の開拓に使われる見込みだ。

「既存の投資家ならびに新たな戦略投資家から寄せられた多大な信頼は、弊社の画期的なイノベーションとマーケットに秘められた可能性を示している」とCEOで共同創業者のOrr Danon(オア・ダノン)氏は話した。そして「調達した資金で、モビリティ、スマートシティ、産業オートメーション、スマート小売などの分野を含む世界中のスマートデバイスや知能産業において新たなレベルのエッジコンピューティング能力の展開を促進できる」と続ける。

筆者が最後にHailoのチームに会ったのは1月のCESだ。そのとき、同社はかなりの回数の素晴らしいデモを披露していた。その多くはリアルタイム画像認識のものだ。Hailoチップで素晴らしいのは、画期的なアーキテクチャ。ユーザーのカスタムニュートラルネットワークをベストな状態にするためにリソースに自動的に対応することができる。この能力ゆえに、Hailoチップは単に速いだけでなく、かなり省エネだ。同社はこのチップのパフォーマンスとして1秒あたり26兆オペレーションを約束し、「小ささ、高パフォーマンス、低エネルギー消費でもって他のエッジプロセッサーをしのぐ」と話す。

今回の投資ラウンドで、Hailoの累計調達額は8800万ドル(約93億円)となった。投資家がHailoに向けている熱い眼差しは、部分的には他のイスラエルのチップスタートアップの成功からきている。Mobileye(モービルアイ)はIntel(インテル)に153億ドル(約1兆6000億円)で買収され、Intelはつい最近Habana Labs(ハバナ・ラボ)も買収した。もちろん、AI/MLテクノロジーが急速に必須のものになりつつあるなかで、先端のディープラーニングチップにとって機は熟している。

「急速に台頭しているAIプロセッサーの市場でHailoは際立ったプレイヤーになる準備ができている」とLatitude VenturesのパートナーであるJulian Rowe(ジュリアン・ロウ)氏は話した。「彼らのディープラーニングエッジチップは多くの部門とってディスラプティブなものとなり得る。一方でHailoのチップが切り開く革新的なユースケースは出始めたばかりだ。今後の展開を考えたとき、チームに加わるのが楽しみだ」

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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