ウェアラブルとコラボレーションで保健医療が変わる

[筆者: Unity Stoakes]

編集者注記: Unity Stoakesは、StartUp Healthの協同ファウンダで社長。

デジタルヘルスケア市場の勃興とともに、大手テクノロジ企業はそこにビジネス機会を求めて、パートナー探しの動きを開始している。

12月の初めには、Google Glassのチップの提供企業がTexas InstrumentsからIntelに変わった。またGlassをヘルスケアワーカーや医師たちの仕事の現場に持ち込むことを考えているGoogleは、Glassを使って電子的な健康データを記録閲覧するアプリケーションを、ローンチするかもしれない。

IntelとGoogleという巨大テクノロジ企業が協力して、ウェアラブル技術のヘルスケアへの利用を進めていくという動きには、将来性が感じられる。しかしそれに対する業界全体のコラボレーションは、まだ始まったばかりだ。

ウェアラブルの今の利用はもっぱら活動追跡(activity-tracker)に集中していて、ヘルスケアへの本格的な応用はまだまだこれからだ。ヘルスケアの消費者化という動きと、それを自らのプロダクトやサービスで促進しようとするテクノロジ企業の姿勢は確かに見られるが、今もっとも積極的に初期的なイノベーションが進んでいるのは、ウェアラブルによるヘルスケアの革新だ。

ヘルスケアという業態には、法や政府による規制と、製品開発に要する時間が長い、という二つの重荷がある。成功するプロダクトを市場に出すことは、大企業にとっても、生まれたばかりのスタートアップにとっても、ともに困難な課題だ。スタートアップにはアドバイザーと仲間とお金が必要だし、大企業には‘買ってすぐに使える’イノベーションを抱えた起業家が必要だ。今日のヘルスケア市場には、前例のない大きな変化が起きようとしているので、大企業とスタートアップのどちらにとっても、目の前に挑戦と機会の両方が横たわっている。

弊社のポートフォリオ企業の一つである、初期的段階のウェアラブルスタートアップBASIS Scienceを見てみよう。BASISは起業家たちのネットワークと彼らのイノベーションに助けられ、継続性のあるサポートインフラストラクチャを獲得して、順調にスケールしていた。そのため2014年の3月には、Intelによる買収につながった。

ウェアラブルのイノベーションは今日、活動追跡を超えて生活の質の改善や、ウェアラブルだからこそできる貴重なデータの収集や利用へと広がっている。たとえばMC10は、家庭用診断/モニタリングツールをいくつか開発しており、その中にはリモートでスマートフォンからモニタできる赤ちゃん用のパッチもある。

Googleは製薬会社のNovartisとパートナーしてスマートコンタクトレンズを開発している。主に、装着者の血糖値をモニタすることが目的だ。Oxitoneは世界初の‘健康ブレスレット’を作り、それを使うと、肺や心臓関連の異状を継続的に監視できる。またCeroraのヘッドセットは、脳震盪など脳の傷害や、アルツハイマー病の診断などができる。

Intelがヘルスケアに進出したことは、今の時代が、ビッグデータ分析や多様なセンサやインターネットに接続したデバイスによって、ヘルスケアの革命が始まっている時代であることを、物語っている。そこに、多くのビジネス機会があることは、疑う余地もない。

私たちが今生きているこの世界は、身の回りのあらゆること/ものにテクノロジが浸透していきつつある世界だ。ベッドも車も冷蔵庫も、かなたのアプリケーションやプロダクトが私たちのことをより良く理解するためのデータを集めて送る。これからは起業家たちが、そういう多様なイノベーションを製品化して、ヘルスケア産業と新しいエキサイティングな方法でパートナーし、共にヘルスケアを作り変えていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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