平和の祭典オリンピックの裏で緊迫した情勢が続くウクライナに対し、サイバー攻撃が増加しています。サイバーセキュリティ企業Netblocksなどの報告によると、2月15日にはウクライナの国防省や2つの銀行、郡のウェブサイトなどに対してロシアが関与するとみられるDoS攻撃が発生しました。
DoS攻撃とは、特定のサーバーやネットワーク上のサービスに対して過剰な負荷がかかるように仕向けてサービス停止状態に追い込む攻撃手法のこと。
また。BuzzFeedのクリストファー・ミラー氏は、ウクライナ現地の一部ATMや銀行サービスが利用しにくくなると行った問題が攻撃の影響で発生し、人々に影響を及ぼしていると述べています。
攻撃そのものはロシアが直接行ったものではない模様ですが、CNNはセキュリティ専門家の見立てとして、ウクライナ国民への嫌がらせ行為や士気を削ぐための広範かつ組織的活動の一環ではないかと伝えました。ただ、それは一部メディアが警告するような、ウクライナ侵攻の直接的な前触れとしての軍事的または物理的被害をもたらすためのサイバー攻撃とは趣が明確に異なると指摘もしています。
むしろ、このサイバー攻撃にロシアが積極的に関与しているとすれば、それはウクライナに対してNATOへの加盟を見送るなどの譲歩を引き出すための圧力をかけるのが目的ではないかとの考えが有力とのことです。なお、ロシア側は当然、サイバー攻撃など実施してはいないと否定しています。
Update: #Ukraine has been targeted by a series of DDOS attacks on banking and military services, bringing down PrivatBank and Oschadbank and sending defence sector platforms offline. The incident comes amid heightened tensions with #Russia.
Report: https://t.co/wDrXAUbTdL pic.twitter.com/PM3jG2PToM
— NetBlocks (@netblocks) February 15, 2022
(Source:Netblocks。Via Gizmodo。Engadget日本版より転載)