グラフデータベースと分析プラットフォームを提供しているエンタープライズスタートアップのTigerGraph(タイガーグラフ)が、米国時間2月17日、1億500万ドル(約111億3000万円)のシリーズC資金調達ラウンドを実施したことを発表した。今回のラウンドを主導したのはTiger Globalで、これによって同社の総資金調達額は1億7000万ドル(約180億3000万円)を超えた。
「TigerGraphは、従来のような行と列で大きなテーブルを結合するやり方ではなく、事前接続されたエンティティを用いたスケーラブルでネイティブなグラフ技術を用いて、データを接続し分析するパラダイムシフトをリードしています」と語るのはTigerGraphの創業者でCEOのYu Xu(ユー・シュウ)氏だ。「今回の資金調達によって、当社のサービスを拡大してより多くの市場に提供できるようになり、より多くのお客様にグラフ解析とAIのメリットを実感していただけるようになります」。
現在のTigerGraphの顧客に含まれているのは、たとえばAmgen(アムジェン)、Citrix(シトリックス)、Intuit(インテュイット)、Jaguar Land Rover(ジャガー・ランド・ローバー)、UnitedHealth Group(ユナイテッドヘルス・グループ)といった企業たちだ。SQLに似たクエリ言語(GSQL)を使用することで、顧客は同社のサービスを使ってグラフデータベースに迅速に保存し、問い合わせを行うことができる。同社が提供するサービスの中核は、データベースと分析プラットフォームのTigerGraphDBだが、AWSまたはAzure上でホスティングされた従量課金制のTigerGraph Cloudというサービスも提供している。同社はまた、データモデル作成とビジュアルでの分析を可能にするGraphStudioというグラフィカルUIを提供している。
同社のデータベースが有望な点は、数十億以上のリンクを含む数十テラバイトのデータを扱うことができるというところだ。利用者はこの技術を不正検出、顧客総合分析、IoT、AI、そして機械学習などの広範なユースケースに適用することができる。
この分野の他の多くの企業同様に、TigerGraphもまた、パンデミックの中で多くの企業がデジタルトランスフォーメーションプロジェクトを加速していることによる追い風を受けている。
同社は米国時間2月17日の発表で「過去12カ月の新型コロナウイルスのパンデミックで、企業はデジタルトランスフォーメーションをより速いペースで取り入れ、顧客、製品、サービス、サプライヤーに関する新たな知見を見つけることを急務としています」と説明している。「グラフ技術は、こうした問題領域をリレーショナルデータベースから切り離すことで、データ準備のための開発サイクルを短縮し、データの品質を向上させ、次にとるべき最善の行動を推奨するための類似パターンなどの新たな洞察を発見するといった機会を提供します」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:TigerGraph、資金調達
画像クレジット:CatEyePerspective / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)