アプリケーションをクラウドへローンチするための新しい方法を提供しているRavello Systemsが、2600万ドルの資金を調達した。その投資ラウンドを仕切ったのはSequoia Capital、これにNorwest Venture PartnersとBessemer Venture Partnersも参加した。
同社のソフトウェアがアプリケーションをパッケージしてAmazon Web Services(AWS)のようなパブリッククラウドサービスへローンチするやり方を、同社は“カプセル”という比喩で説明する。Ravello Systemsは最初、試験と開発のために“アプリケーションハイパーバイザ”サービスを提供し、アプリケーションのクラウドへのデプロイ過程を自動化する。
カプセルの中には、アプリケーションがクラウド環境で動くためのさまざまな要件やニーズを収める。一つのカプセルに複数の仮想マシンを置けるので、AWSのようなサービスへデプロイするときに比べてコストが低い。AWS上で10の仮想マシンをローンチするところを、カプセルなら二つだけでよいこともあるので、AWSで直接テストするよりもRavelloを使った方が安上がりだ。しかもそのカプセルは、どんなパブリッククラウドへもデプロイできる。
同社の役員には、オープンソースの仮想化システムKVMを作った人たちもおり、彼らによると、同社のソフトウェアは、アプリケーションのパッケージングを手作業でやってクラウドでテストするという手間を省いてくれる。すべての仮想マシンをアップロードしたあとは、デベロッパはCADソフトを使うような感覚でアプリケーションのパッケージング構造を図解していく〔参考〕。
アプリケーションを図解してパラメータをセットすると、そのアプリケーションはデプロイされる。そのカプセルは再利用でき、今後のアプリケーションのための青写真のように使える。
このサービスを利用することにより、アプリケーション開発がスピードアップされる。それは、つねによりベターな自動化を求めているデベロッパとDevOpsのチームを助ける。ITはそのコントロールを保持し、自己のミッションに集中できる。
VMwareやDellなどのベンダにも、クラウドへ展開するアプリケーションのテストや開発の過程を自動化し、デベロッパにシンプルでミニマムなワークフローを提供するサービスがある。したがってRavelloは、彼らと競合することになる。