クラウドファンディングのIndiegogoにとって、今年は厄介な年だった。怪しげなプロジェクトからの資金募集が、かなりあったからだ(もちろん、とってもクールなプロジェクトもあった)。今の同社は、プロジェクトの支援者たちがより安心して投資できるための工夫で、忙しいようにも見える。
今同社がテストしている’Optional Insurance’(保険オプション)は、投資者が一定の保険料を払って、デリバリ予定日から三か月を過ぎても製品をもらえなかったときには支援額を返金してもらえる、という仕組みだ。今Indiegogoはこの保険機能を、一つのプロジェクトでテスト中だ。それは、ストレスを管理できると称するウェアラブルOliveだが、15ドルを払うと、その支援者価格129ドルを払った人が心の平安を得られる。
同社は本誌TechCrunchに、テストをやっていることは認めたが、保険機能の今後の展開については何も述べなかった。
同社の広報曰く、“Indiegogoは投資者と資金募集者のニーズを満たす新しい機能をつねに開発しテストしている。今回のパイロットテストは現在、この個別の資金募集キャンペーンに限定されている”。
しかし保険の導入は、クラウドファンディングサイトとしてこれまでずっとKickstarterの後塵を拝してきたIndiegogoにとって重要かもしれない。
これが大きな差別化要因になりそうな理由は、Indiegogoがこれまでよりもずっと気楽にプロジェクトに投資できる場所になり、奇抜なアイデアや詐欺かもしれないキャンペーンに対する規制やフィルタリングを、それほど神経質にやらなくてもよくなるからだ。
本誌TechCrunchのライターMatt Burnsが今年の4月ごろの記事で、実際にIndiegogoにおけるプロジェクトの例をいくつか挙げながら、クラウドファンディングでお金を出すことのリスクについて書いた。そのとき彼がとくに問題視したのは、目標額に到達しなくてもお金を受け取れるIndiegogoの‘フレキシブルファンディング(flexible funding)’オプションだ。それは、クラウドファンディングにおける説明責任を希薄にする、と彼は主張した。
保険があると支援者たちは、彼らが支援した‘あまりに良すぎて本当とは思えない’ようなプロジェクトで、製品がいつまでももらえない、お金をドブに捨ててしまった、というリスクを幾分軽減できる。だから歓迎すべき一歩ではあるけれども、でもIndiegogoやKickstarterのようなサービスでプロジェクトを支援するときの不確かさは、実際に製品ができる・できないの問題だけではない。
Indiegogoは1月にシリーズBで4000万ドルの資金を獲得し、ほかにもいろんなことをテストしている。たとえば同社が9月に導入した、‘Forever Funding’というオプションは、通常の1か月という制限がなく、プロジェクトがいつまでも寄付を受け取れる、という方式だ。
情報を提供していただいた匿名氏に感謝
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))