TechCrunchの情報筋によると、テクノロジーを警察に売るなと要求するGoogle(グーグル)社員グループの人数が、1666名を超えてまだ増え続けている。
社員は、Alphabet(アルファベット)のCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏に宛てた書簡で次のように主張している。「グーグルが警察への販売をまだ続けていること、そして警察との結びつきを何か進歩的なことのように広告して、警察との関係を断ってその力を弱めることを願っている多くの人びとの側につくことなく、むしろ販売の拡大を求めていることに失望している。George Floyd(ジョージ・フロイド)氏の首をヒザで抑えつけた者のいる機関がさらに強力な組織になることを、なぜ支援しなければならないのか?それだけではなく、グーグルがサクセスストーリーとして広告しているその同じクラークスタウンの警察は、Black Lives Matterの組織者たちを不法に監視して何度も訴えられている」。
例えばグーグルは、クラークスタウンの警察がG Suiteを使って情報とデジタルの証拠を共有していることをリリースで採り上げている。一方でグーグルはシアトルの警察財団に寄付をしたり(The Guardian記事)、同社のベンチャーキャピタル部門GVが警察が使用する人工知能技術を開発しているスタートアップに投資したりしている(The Intercept記事)。
一方、グーグルのスポークスパーソンはTechCrunchに次のように語っている。「私たちは、構造的な人種差別との戦いに変化をもたらす事業に力を入れており、弊社の社員は最近数週間だけでも500あまりのプロダクトの提案を行なっており、それを検討している。今回の件に関して、弊社は何年も前に大企業として初めて顔認識を商用利用には提供しないと決めている。また弊社のAI原則は、技術の監視への利用と販売を明確に禁止している。GmailやG Suite、そしてGoogle Cloud Platformのような一般的なコンピューティングプラットフォームに関しては長年の利用規約があり、今でも国や地方の行政機関に提供されており、その中には警察も含まれている」。
書簡で社員たちは、自分たちが働いている会社に誇りを持ちたいと語っている。そしてその気持ちにグーグルが応えることを望んでいる。
「米国全土に浸透している警察の人種差別主義の伝統は、奴隷制とジェノサイドから得られた富を守るために警察力が必要とされたことにその起源がある。人種差別の遺産を一掃する努力はまだ先が長いが、まずその第一歩として、私たちは人種差別的な取り締まりで利益を得ているビジネスをすべきではありません。私たちは、Black Lives Matterを唱和しながら黒人を犯罪者扱いするビジネスをすべきではありません。私たちは、私たちはグーグル社員は、私たちの技術の警察への提供を止めるよう呼びかける」と書簡にある。
グーグルが社員たちの圧力で契約を取り下げた例が過去にある。国防総省の軍用ドローン計画Project Mavenは、社員たちの請願によりグーグルが契約の更新を行わないことになった。そして2018年10月にグーグルは、国防総省の大規模なクラウドコンピューティング契約であるJEDIの入札から下りた(未訳記事)。
警察などの法執行機関と契約しているテクノロジー企業は、グーグルだけではない。例えば、Salesforce(セールスフォース)は社員などからの抗議にもかかわらず長年、税関・国境取締局と契約している(未訳記事)。
最近では、ポジティブな変化もある。2020年6月初めには、IBMが警察と監視社会のツールになっている顔認識技術を販売しないと発表した。Microsoft(マイクロソフト)も最近、国の規制がない現状では顔認識技術を警察に売らないと発表し、Amazon(アマゾン)は同社の顔認識技術の警察による利用を1年間停止した。これらは、警察が丸腰の黒人であるジョージ・フロイド氏を殺害したことへの、直接的な反応だった。
フロイド氏の死に関してピチャイ氏は、社員宛てのメール(Googleブログ)で「米国の黒人コミュニティが傷ついている。私たちの多くが、自分たちの信念のために立ち上がり、愛する人びとに連帯を示す方法を探している」と述べている。
彼はまた、グーグルが反人種差別団体に1200万ドル(約13億円)を寄付するやり方を述べている。その後ピチャイ氏は、社内的には、2025年までに管理職レベルのダイバーシティを30%アップするなど反人種差別に対する同社の取り組みを詳しく述べた(Googleブログ)。
「私たちは、グーグルに人種差別をなくすための実効的な手段を講じて欲しいと願っています。私たちの社会は、Black Lives Matterを唱えてれば十分だった時代を、過去のものにしてしまった。黒人の命が他と同等に重要であることを、私たちの思想と言葉と行動で示していく必要がある」と同社社員は記している。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)