投資家から数千万ドル(数十億円)も調達し、2021年初めに実質的な方向転換を図った後、拡張現実(AR)のスタートアップUbiquity6とそのチームはゲーミングチャットアプリのDiscordに買収された。
野心的なUbiquity6はBenchmark、First Round、Kleiner Perkins、そしてARコンテンツをホストする消費者向けプラットフォームを構築するというビジョンに賭けていたGoogleのGradient Venturesなど一流の投資家からこれまでに3750万ドル(約41億円)を調達した。公開された直近の資金調達は2700万ドル(約30億円)を獲得した2018年10月のシリーズBだった。
Discordによる買収の条件は明らかにされなかった。しかしここ数カ月、Ubiquity6は構築に最初の数年を費やしたプロダクトの大半を放棄していたようで、これは同社が幅広いオーディエンスを見つけるのに苦労していたことをうかがわせる。
2017年創業のUbiquity6は携帯電話ユーザーがARコンテンツをブラウズするのに中心的な方法になるアプリの構築を描いていた。2019年後半に同社は、3Dスキャニングの物理的環境のプロセスをスマホのカメラでゲーム化することを目指すDisplaylandというプロダクトを立ち上げた。
大衆に受け入れられるようにするという同社の取り組みは、AppleやGoogleなどを含むテック大手がかなり投資してきたにもかかわらずここ数年勢いを得るのにほぼ失敗していたモバイルARマーケットによって妨げられた。
2020年初め、CEOのAnjney Midha(アンジニー・ミドハ)氏はUbiquity6が従業員65人を雇用している、とTechCrunch に語った。
ここ数カ月でUbiquity6はかなり抜本的な方向転換を実行した。ユーザーがシンプルなオンラインパーティゲームをリモートで一緒に遊ぶことができるデスクトッププラットフォームを構築することを選び、ARを完全に捨てたのだ。Backyardというベータプラットフォームは米国がパンデミックから立ち直るにつれてなくなりつつあるパンデミック時代の習慣のためにデザインされていた。
買収を発表するMediumへの投稿の中で、ミドハ氏はUbiquity6のARテクノロジーがDiscordの中で生き続けるとの期待を控えめに述べた。
「Ubiquity6での我々のミッションは常に、人々が共有体験を通じてつながる新しい方法を見つけることでした」とミドハ氏は書いた。「Discordに加わることで我々はそのミッションを加速させることができます。Ubiquity6のチーム、プロダクトのBackyard、そしてマルチプレイヤーテクノロジーはDiscordに統合されます」。
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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Discord、買収、拡張現実
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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi)