サブスク型のランチ“持ち帰り”サービス「POTLUCK」がNOWから資金調達、渋谷から提供開始

月額定額制でさまざまな飲食店のランチをテイクアウトできる「POTLUCK(ポットラック)」。同サービスを提供するRYM&COは9月28日、ベンチャーキャピタルのNOWから資金調達を実施したことを明らかにした。具体的な調達額は公開されていないが、数千万円前半になるという。

POTLUCKの特徴は事前決済、事前予約制を導入することでスムーズにランチをテイクアウトできる点だ。

サブスクリプション型モデルなので注文ごとに毎回決済をする必要もなく、メニューも当日の10時までにオンライン上で気になるものを選んでおくだけ。指定した時間に店舗に行けば、すぐに料理を受け取ることができるので、ランチタイムの混雑に巻きこまれて疲弊せずに済む。

飲食店側にとっても決済の手間がないのは楽だし、事前に注文が決まっているので当日急にバタバタすることもない。テイクアウトの上限数を指定しておくことで、無理のない範囲で始められる。

ランチ時に店内が混み合っている店舗でも、この仕組みを用いてより多くの顧客に食事を提供することが可能。オープンしたばかりの店舗など認知度拡大が課題の場合は、最初の接点を作るための手段としも活用できるかもしれない。

もともとPOTLUCKは“ランチ難民”と言われるような人が抱える問題を解決するとともに、「飲食店とユーザーが継続的に関係性を構築していけるような仕組みを作ること」を目指して開発されたサービスだ。

そのためシンプルな事前予約・事前決済サービスではなく、あえてサブスクリプション型のモデルを採用。デリバリーではなくユーザーが店舗まで訪れるテイクアウトに焦点を当てた。この辺りの詳しい背景などについては、前回RYM&CO代表取締役の谷合竜馬氏に話を聞いているので参考にしていただければと思う。

RYM&COでは今月3日より、まずは渋谷エリアからPOTLUCKのβ版をスタート。現在は同エリアの飲食店約20店舗が対象で、カレーやラーメン、おばんざい、ハンバーガー、トルコ料理などバラエティ豊かなランチを持ち帰ることができる。

1ヶ月あたりのチケット数(注文できる回数)ごとに応じて3つのプランが用意されていて、1食あたりに換算すると600〜680円ほど。各店舗は複数のメニューを設定できるほか、チケットを1.5枚や2枚使うことで購入できるハイグレードのメニューも作れる。

実際の反響を谷合氏に聞いて見たところ、ユーザー側は「受け取り時間がなく、美味しいものを食べられる」点が響いているのだそう。現在は20代後半〜30代前半がメインの利用者層だ。

また各ユーザーが事前にチケットを保有していることもあり、せっかくなら使わないともったいないという心理が働くのか、掲載したばかりの店舗にも予約が入りやすく「(予約が多い店舗では)1日に約20件の予約がある」(谷合氏)のだという。

一方でテイクアウトであるがゆえに店舗数の拡充に関してはまだまだ課題があるようだ。たとえば渋谷と言っても、宮益坂にあるオフィスから道玄坂の飲食店までランチを取りに行くかというと、よっぽど気になるお店があるか時間に余裕がない限り難しいだろう。

基本的には徒歩でさっと行ける所にどれだけバラエティに富んだお店があるかがポイント。これから表参道や恵比寿、代官山などにエリアを広げる予定はあるものの「どんどんエリア拡大をしていくというよりは、各エリア内でどれだけコンテンツを充実させられるかを重視している。そこでのネットワークを深めてコミュニティを育てていきたい」(谷合氏)という。

今回調達した資金はエンジニアの採用や運営体制の整備などに用いる方針。プロダクトの機能改善を進めるほか、少し先ではアプリ版の開発にも取り組む計画だ。

「(POTLUCKという選択肢ができることで)その街のランチタイムの概念やお昼休みの使い方をどのように変えていけるのか。そこのシーンが変わったら、社会的なインパクトも大きいはず。まずは渋谷でしっかりとしたポジションを確立するところから挑戦していきたい」(谷合氏)

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TechCrunch Japan

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