昨年、Ember Technologies, Inc.が飲み物の温度をパーフェクトに調整して保つマグカップのIndiegogoキャンペーンを展開していた(大成功だった)。これまでに、このマグカップは4000個を売り上げているそうだ。
そしてEmber Technologiesにとって、さらなる飛躍のきっかけとなりそうな動きがあった。すなわちスターバックスが、全米のほとんどの店舗およびサイトにてEmber製のマグ(Ember Temperature Control Mug)の販売を開始したのだ。
EmberのCEOであるClay Alexanderによれば、コーヒーであれココアであれ、あるいは紅茶などであっても、温かい飲み物はたいてい摂氏71度くらいの温度で提供される。これはどこのカフェでもレストランでも同様であるそうだ。しかし飲みやすい温度は摂氏55度くらいであるそうなのだ。
これまでにも断熱効果を使った保温マグカップはあったが、温度が一様にならず、熱すぎる飲み物を適温にすることもできなかった。そのせいで舌をやけどする人が、あとを絶たなかった。Emberでは内蔵した半導体を使って、飲み物を適温にして、その温度をずっと保つことができるのだそうだ。
Emberのマグカップは、使う前にまず充電する必要がある。マグカップと連携するアプリケーションも用意されている。温度設定は、ダイヤル式になっているマグカップ下部で行う。その部分以外にはボタンや可動パーツは存在しない。
Alexander曰く、スターバックスで取り扱ってもらうのはなかなか大変なことらしい。製品評価プロセスは厳格で、安全性や品質、および味覚面の商品テストもかなり厳しいものであるそうだ。それにスターバックスで製品を扱ってもらおうとするスタートアップの数も多い。
成功の秘訣を問われて、Alexanderは取締役たちや投資家たちの尽力の賜であると述べている。デザインコンサルティングファームのAmmunitionも寄与したとのこと。Emberはデミ・ロヴァート、ジョナス・ブラザーズ、DJカスケイドなどのセレブ投資家からも出資を受けている。
Ember特許技術を用いた、新しい温度調整プロダクトも準備中であるとのこと。氷やコンロなどがなくても、飲み物を好きな温度にして提供していきたいというのがEmberの狙いだ。たとえば赤ちゃんようのものや、あるいは料理用のものなども提供することになるかもしれないとのことだった。
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(翻訳:Maeda, H)