Y Combinatorの今年の夏季クラスでローンチしたLocentは、テキストメッセージだけを使うeコマースプラットホームだ。
オンラインの小売で最大の障害が、面倒なチェックアウトプロセスだ。Locentはユーザ企業に、ふつうにテキストできる電話番号を一つ与える。そしてチェックアウトプロセスを単なるテキストメッセージにしてしまう。
ユーザ企業はLocentにアカウントを作り、電話番号をもらう。それからLocentのバックエンドを利用して、品物を並べる。それらの値段、写真、キーワードなどをアップロードする。
お客はその番号に、ほしい品物のキーワードをテキストする。決済のリンクが出るので、そこでトランザクションを完了する。
Locentの最終的な目標は、ふつうの小売店にそんな‘テキスト店’を持ってもらうことだが、今のところは既存のブランドやインフルエンサーのマーケティング的(==誘導的)利用が主体だ。
たとえばSnapchatのスターShondurasの場合は、Locentの番号にファンからメッセージが来ると、その返事で会員制のTwitchチャネルのリンクを教える。最初の12時間で‘ファンテキスト’は8000通あまり殺到し、彼らはただちに、Twitchチャネルのリンクを返事で受け取った。
Locentの協同ファウンダMatt JosephとRyan MacInnesによると、このサービスを利用すれば既存のマーケティングチャネルがワンクリックの売り場に変身する。
同社は、Locentを寄付のプラットホームにすることも考えている。とくに、2016年は大統領選の年だから、資金集めが賑やかになるだろう。候補者がLocentの番号入りの名刺をばらまいたとすると、そこにテキストしたユーザは寄付のページへ連れて行かれる。
バックエンドとしてTwilioやStripeを利用しているが、Locentそのものは、そこらの商店のおっちゃんでも簡単に使えるプラットホームだ。
料金は、Stripeの2.9%+30セントに加えて、売値の3%だ。
LocentはY CombinatorとChaac Venturesから63万ドルを調達している。