テンプレートを使わず人工知能にWebサイトをデザインさせるThe Grid、今クラウドファンディング中

美しいWebサイトをデザインすることは、昔も今も難しい。コードを1行も書かずにサイトを作れる、と称するサービスはたくさんあるが、それらは、ちょっと高度なことをしようとすると、すぐに限界にぶつかる。今日(米国時間10/8)からクラウドファンディングで資金募集を開始したThe Gridは、そんな限界や制約のないWebデザインを約束する。The Gridでは、ユーザがページの色や形をデザインするのではなくて、ユーザのコンテンツや目標(売上やビジター数の増大など)を人工知能に与えて、最適のデザインを作り出す。

このサービスを作ったのは、GoogleでAdSenseのプロダクト部長をやっていたBrian Axeと、Mediumの初期のデザイナーLeigh Taylorだ。The GridのCEOで協同ファウンダのDan Tocchiniは、今日の発表声明でこう言っている: “これまでの数年間を費やして、ユーザが個人的に雇ったグラフィックデザイナーのように機能する人工知能を作ってきた。それはあなたのブランドについて考えることができて、それを最も良く表現できる人工知能だ。デザインがあなたのコンテンツに合わせる。その逆ではない”。

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同社の当面のクラウドファンディング目標額は7万ドル、サービスの開始は2015年の晩春を予定している。The Gridにはすでに、元Facebookのプロダクト担当VP Greg Badrosや元Disney Interactiveの社長John Pleasantsらからの財政支援もある。The Gridの利用は月額25ドルの会費制を予定しているが、出資した人は月額8ドルになる。

The Gridのチームによると、ユーザがやることは画像とテキストをアップロードするだけである。するとThe GridのAIがそれらのコンテンツを分析して、ほんの数分で、応答性の良いサイトを作る(Grid Style Sheetsを利用して)。画像中のコントラストの階調を見分けてテキストを適切に配置し、また画像の無駄な部分はトリミングする。ページの配色は画像に合わせて自動的に最適化する。

The Gridはコンテンツに合わせてサイトのデザインを個人化する。それは相当でっかい約束だが、成果を実際に見られるのはまだ先の話だ。The Gridのピッチ(売り文句)の一つに、“既製のテンプレートをまったく使わない”がある。これまでのWebサイト生成サービスは、ユーザがテンプレートを指定するのが利用の第一歩で、だから、「ああこれはXXXで作ったな」とすぐにわかった。たとえばBootstrapにはBootstrapの特徴がある。今後作られるThe Gridの何千ものサイトが、それぞれ独自に良くできていて、“The Grid臭さ”というものがないならば、それは相当すごいサービスだと言える。

The Gridには優れた人材が揃っているようだし、デモも良くできている。その人工知能の腕前を、早く見てみたいものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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