米国時間6月9日、1万ポイントの節目を迎えたNASDAQ(ナスダック)総合指数は、Yahoo Financeによると6月10日午前に1万28.61という日中最高値の新記録を更新した。
平常時であれば、これはお祭り騒ぎの出来事だった。業界の勢力を示すテック中心インデックスが長年伸びてきた結果の最高潮だ。しかし、経済は国が正式に認めた不況(Yahoo Finance記事)となり、失業率は大恐慌の数字を上回り、毎日約1000人の米国人が新型コロナウイルス(COVID-19)で命を落としているいま、悲惨な失業率の中でのインデックスの反発は、少々薄汚い印象を受ける。
シャンパンを開けよう。
最近の株価反発を巡っては警鐘を鳴らす向きもあった。きっかけは民間投資家と思われ(Business Insider記事)、アナリストらのテック株の格下げ(@DeItaOneのツイート)や、絶好調のSaaS分野の売上減少などもあった。しかしそんなことは関係ない。本日Tesla(テスラ)は1005.38ドル(未訳記事)だった。そして、Tesla(テスラ)の競合となるかもしれないNikola(ニコラ)は、6月10日に10%値を下げたが、まだ売上もない中で260億ドル(約3兆円)の時価総額を維持している。
公開市場は異常な状態であり、誰もが買いに走っている(@stoolpresidenteのツイート)。そんなときのナスダック1万ポイント超えには意味がない。真のイマジネーションに欠ける我々人間が、実体のあるものと思い込もうとしているランダムな数字にすぎない。
いずれは今週を振り返って、この反発は登っているはしごの一段にすぎなかったことに気づくのだろう。あるいは、ドットコムバブルのNasdaq 5000と同様、現在の数字は最高水位であり、イカロスの翼をとめた蝋が溶け始め、太陽が少々暖かすぎると感じる前にどこまで高く飛べるかを示しただけなのかもしれない。
関連して、利益率5%前後を誇り、6月9日に上場したオンライン中古車販売のVroom(未訳記事)は、2日間でIPO価格の22ドルから143%値上がりした。
ともあれは、我々はナスダックの節目に言及した。礼はいらない。
画像クレジット:Siavash Ghanbari / Unsplash under a Unsplash License(画像は加工済み)
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )