ウェアラブルもこのところ多様化してきて、人間の日常生活と同時並行するGoogle Glassのようなものと、現実世界から切り離された完全に没入的な仮想現実体験を提供するOculus Riftのようなものをそれぞれ対極として、その間(かん)にいろんなタイプのものが並んでいる。
マウンテンビューのAtheer Labsが作っている一連のウェアラブルグラスも、そういう中間的な製品の一つだ。
同社のCTO Allen Yangはこう説明する: “物理的世界で何かをしながら、デジタル世界から情報を得たり、その世界と対話したいことがある”。YangはUCバークレーで、コンピュータビジョンとセンサネットワークを研究していた人だ。
Atheerのグラスは現実世界の上に情報をオーバレイする点ではGoogle Glassに似ているが、デジタルの情報やコンテンツを手のジェスチャで操作できる。グラスに埋め込まれているセンサが手の形を読み取って、ユーザが右または左にスワイプしたことや、ボタンをクリックしたことなどを検出する。Thalmic Myoにも似ている。
2月にIndiegogoで20万ドルあまりを集めた同社は、企業がこのグラスを利用するための開発キットをリリースするまでにこぎつけた。
そのキットにはデベロッパのためのユニットとグラスが含まれている。Yangと協同ファウンダのSoulaiman Itaniは、どんな業界業種の企業とでも、有意義なパートナーシップを組める、と考えている。
要するにそのユースケースは、仕事中にオンラインの情報にアクセスする必要があるけど、手も目も仕事に集中しているのでキーボードやモニタなどほかのデバイスのお相手はできない、という状況だ。石油掘削基地の労働者、手術中の医師など、そのような仕事の例はとても多い。
Itaniは、こう言っている: “今うちは、航空宇宙産業や産業機械のメーカー企業と一緒に仕事をしている。このようなグラスは大企業のワークフローに革命をもたらすだろうし、また医師や看護婦がリアルタイムで重要な情報にアクセスできる病院では、医療の質が向上するだろう”。
開発キットはIndiegogo経由で1000ドルで入手できる。グラス本体は、支援提供の時期などに応じて350ドルから500ドルだ。
これまで得られた資金の総額は公表されていないが、“出だしとしてはたいへん好調”、とItaniとYangは言っている。AngelListに並んでいる投資家の中には、Googleの最初の10人の社員の一人Georges Harikや、AT&TのCTOだったHossein Eslambolchiがいる。この前のSECの提出書類では、同社は1月に150万ドルあまりを調達している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))