Google HomeはAmazonのEchoに対するGoogleの対抗馬だ。Google Homeは今年開催された Google I/O 開発者カンファレンスで正式にデビューした。 だがそれ以後、音声で起動するパーソナルアシスタントに関してあまり発表がされてこなかった。本日Googleは、同社が年に1回開催するハードウェアのイベントで、ついにHomeの詳細を明かした。
Google Homeの価格は129ドル(YouTube redの6ヶ月分が付いてくる)で、今日からGoogleのオンラインストアで予約することができる。11月4日から出荷予定だ。
GoogleのMario Queirozは、私たちの自宅は他の環境とは異なると主張する。そこでEchoのようにGoogle Homeはワイヤレススピーカーといくつかのマイクを組み合わせ、ユーザーの声による指示を聞き取ることができるという。Homeにはミュートボタン、そして4つのLEDがデバイスの上部に付いているので、端末がユーザーの声を聞き取っているかどうかを知ることができる。これ以外に物理的なボタンはない。
Googleは、ユーザーがHomeをリビングルームに置くことを想定している。そのため、ユーザーが自宅のインテリアデザインに合わせられるよう、端末のベースの部分の色を数種類用意した(端末自体のデザインはパロアルトにあるEichlerがデザインしたミッドセンチュリーのリビングルームに最も合う印象だ)。端末のデザインはワインボトルやキャンドルをイメージしたものとGoogleは伝え、Homeは全部で7色展開するという。
Google Homeの重要な機能はGoogle Assistantを搭載している点だ。Google Assistantは、現在私たちが知っているGoogle Nowが次世代型に進化し、会話をベースとしたバージョンだ。Google Homeで提供するGoogle Assistantが、Google Alloのテキストを中心としたAssisantのサービスに似ているなら、ユーザーは快適さ(指示が正しく認識され場合)とかなりのストレス(指示が認識されない場合)の両方を味わうことになるだろう。Googleの新しいAlloのチャットアプリが示すように、今の所Google Assistantはユーザーの質問の大部分に答えることはできない。画面越しであれば、Googleはリンクを提示することになるが、Homeの場合、検索結果のスニペットを読み上げる形式になる。
Googleは本日のイベントで、ユーザーにとって「それぞれにぴったりのGoogle」が体験できるよう、サービスをパーソナライズすることを目指すとした。Homeに搭載されたGoogle Assistantはまさにそれを実現するためにある。
新しいAssistantの機能には「My Day」があり、ユーザーに朝、現在の気温、通勤時間、本日の予定の概要(ユーザーがオプトインすることを前提に)をお知らせする。
この分野にGoogleが出遅れていることは公然の事実だ。Echo端末を出すAmazonは、こういったデバイスを求めるアーリーアダプターを獲得している。この分野でリードしているということは、Amazon Echoの端末は多くのスマートホームガジェットにもすでに対応してるということだ。例えば、NestのサーモスタットやPhilips Hueの電気などだ(Amazonはさらに、そういったサードパーティーデバイスと一緒にEchoを販売している)。
これに驚きはないが、GoogleはNest、Phillips、Samsung、IFTTTとパートナーシップを組み、パートナーが提供するスマートホーム端末に対応すると発表した。パートナーの数は多くないが、IFTTT自体、すでに多くの端末と対応しているので、Googleはそれに便乗する形だろう。
音楽に関して、Google HomeはGoogle Play Music、Spotify、Pandoraなどのサービスと最初から対応している。デフォルトで使用する音楽サービスを設定することもできるので、Googleに対していちいち「Spotifyの曲を再生」と指示しなくとも良い。さらにHomeの音楽検索はGoogle検索が担うため、比較的複雑なクエリでも理解することができるとGoogleはいう。Google HomeのMusic機能は、ポッドキャスの視聴にも対応している。HomeはCast端末であることから、他のCast対応端末から音楽をストリームすることができる。
HomeはGoogleのChromcast、Cast対応テレビと直接連携させることができる。これは今の所YouTube動画を視聴する用途が主だが、Googleは近いうちにNetflixにも対応するとしている。
ここ数年、Googleは主にスマートホーム端末用のプロトコルの開発に取り組んできた。そしてNestの買収により、この市場で主要なプレイヤーとなる意図があることを示した。しかし Googleの傘下でNestは停滞していた。ChromecastのヒットやEchoの有力な対抗製品として機能するはずだったOnHubルーターをローンチしたにも関わらず、提供サービスには突き抜けるものがないように感じられた。
Homeをローンチすることで、その潮流は変わるかもしれない。Google Homeはようやく、Echoのようにリビングルームに据える、各製品のハブとなる端末を提供することができる。その知的機能はクラウドに集約されているため、未来の変化にも対応できるだろう。Castのプロトコルがあることで、Homeは他の端末とも連携することができる。それには圧倒的な成功を収めたChromecastのシリーズも含まれる。
今後はハードウェア、特にマイクがうまく機能することが重要となってくるだろう。それに関してはHomeを実際にしばらく使用してみないと何とも言えない。Googleは、搭載しているマイクは「最良品」で、スピーカーの音も豊かなベース音を含め全音域を届けることができると主張している。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)