ビッグデータ分析のDatabricksが430億円調達、バリュエーションは6700億円に

Databricksは多くのオープンソースツールを使って作られたSaaSを提供していて、明らかに事業はうまくいっている。実際、同社は企業向けクラウドの会社として最も急速に成長している1社だとうたっている。同社は米国時間10月22日、4億ドル(約430億円)ものシリーズFラウンドでバリュエーションが62億ドル(約6700億円)になったと発表した。今回のラウンドで、累計資金調達額は約9億ドル(約975億円)に達した。

Andreessen Horowitzのレイトステージベンチャーファンドがラウンドをリードし、新規投資家としてBlackRock、T. Rowe Price Associates、Tiger Global Managementが参加した。こうした機関投資家が参加しているのは興味深い。というのも、レートステージスタートアップとしてDatabricksは将来のIPOを見据えているはずで、そうした投資家をすでに引きつけているのは有利なスタートにつながる。

CEOのAli Ghodsi(アリ・ゴッシ)氏はIPOに関しては無口になるが、IPO自体は確かに彼が進めたい方向ではあるようだ。「我々は急速に成長している企業向けクラウドソフトウェア会社の1社だ。今回の資金調達が示しているように、これは我々が資金への多くのアクセスを持っていることを意味する。売上高はかなりの勢いで伸びていて、知名度も高い。だからIPOは我々が最高活用するものではなく、そう遠くない将来に必ず起こるものだ」とゴッシ氏はTechCrunchに対し語った。

同社は第3四半期のランレートが2億ドル(約220億円)だと発表した。同社は4つのプロダクトから成るプラットフォームを展開して、すべてオープンソースをベースに構築されている。4つのプロダクトは、オープンソースデータレイクプロダクトのDelta Lake、データチームが機械学習の操作ができるようにするのをサポートするオープンソースプロジェクトのMLflow、SparkとPandos向けのマシーンフレームワークをつくるKoalas、そしてオープンソース分析エンジンのSparkだ。

これらのツールすべてのオープンソース版は無料でダウンロードできる。しかし使いこなすのは簡単ではない。DatabricksはこうしたツールをSaaSという形で提供することで収益を上げている。こうしたツールの使用に伴う管理上の悩みを彼らが処理し、ユーザーにサブスクリプションとして課金する。

同社は急成長していて、このモデルはうまくいっているようだ。同社は2月に2億5000万ドル(約270億円)を調達し、バリュエーションは27億5000万ドル(約3000億円)になった。明らかに投資家たちはそれ以降の6カ月の間に投資する余地を見出した。今日の62億ドルというバリュエーションがそれを物語っている。

画像クレジット:Matt Anderson Photography / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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