ファーウェイが米政府が押収した機器への訴訟取り下げ

2017年9月に米政府により差し押さえられた通信機器が返却されたのを受けて、Huawei(ファーウェイ)が同国の商務省など政府機関を相手取って起こしていた訴訟が取り下げられた。これは今年6月に、ファーウェイの米国子会社ことHuawei Technologies USAが起こしたものだ。ファーウェイは声明の中で、サーバーやイーサネットスイッチを含む機器の返却は「押収が違法かつ恣意的だったことを暗黙のうちに認めたものだ」と述べている。

この装置は、カリフォルニア州でのテストを終えて中国に戻される途中に、アラスカで米当局によって押収された。ファーウェイによると、米政府は調査の結果、この輸送に輸出許可は必要ないと判断したが、2年間保留されていた理由については説明しなかった。

今回引き下げられた訴訟は、正当な手続きに違反し憲法違反であるとして、政府機関や契約業者によるファーウェイ製品の使用が禁止されことにたいし、3月に政府を相手取って起こした訴訟とは別のものだ。

ファーウェイは国家安全保障を脅かす恐れがあり、また同社の機器がスパイ活動に使用される可能性があるとの懸念から、5月から米政府の取引禁止リストに載っていたが、同社は証拠不十分だとしてこれを否定している。取引禁止リストは、政府の許可を得ずに米国のサプライヤーから機器を購入することを禁止している。

ファーウェイはZTEとともに、米下院情報特別委員会が両企業を潜在的な安全保障上の脅威だと指摘して以来、米政府に監視されていた。そして、昨年から始まった米中貿易戦争により監視の目が厳しくなり、ファーウェイによると「我が社の信用を低下させ、業界での主導的な地位を損なわせようとする、米政府の悪意ある意図的な方針」により、法的な圧力が強められている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。