Robinhood(ロビンフッド)は米国時間7月28日の夜に、IPO範囲の下限である1株あたり38ドルの価格で公開を行った。その価格での評価額は約320億ドル(約3兆5578円)だった。
しかし、この米国の消費者向け投資・取引アプリRobinhoodの、株式取引が開始されると、株価は急速に下落し、浮動株としての取引が始まった最初の数時間で10%以上の下落を記録した。その後の取引でRobinhood株はある程度回復したものの、Yahoo Finance(ヤフー・ファイナンス)によれば8.37%減の1株あたり34.82ドル(約3811円)でその日の取引を終えた。
同社はIPOで5500万株を売出し、総売上高は21億ドル(約2299億円)となった。もし引受銀行が利用可能なオプションを購入するなら、この数字はさらに増える可能性がある。とはいえ、同社は現在、十分な資金を有しており、自分たちの思い通りに未来を描くことができる。
では、なぜ株価が下がったのだろう?2020年、多くの大手ブランド、消費者向けハイテク企業の周辺で見られた旺盛な投資騒動を考えると、Robinhoodがその日のうちに80%以上の上昇で終わらなかったことにむしろ驚くかもしれない。なにしろDoorDash(ドアダッシュ)やAirbnb(エアービーアンドビー)は派手なデビューを果たしたのだから。
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考えを口に出してみると、いくつかのことに思い当たる。
- Robinhoodは、IPOの大部分を自社のユーザーに公開した。実質上Robinhoodは、一般投資家やトレーダーに、大口投資家と同じ価格とアクセスレベルで株式を提供することで、初期のリテール需要を縮小したのだ。良いアイデアだ。だがそうしたことで、Robinhoodは、その株式に対する未決済分株式への関心を低下させ、おそらくそれが初期の需給曲線を決定付けてしまったのだろう。
- もしくは、同社が2021年第2四半期に取引量が減少する可能性があると警告したことで、一部の投資家たちを怖気づけさせたのかもしれない。
とはいえ、このミーム集中砲火型株価決定の時代に、Robinhoodのデビューがやや下降気味なのは、ちょっとした謎である。今後、同社の株価が落ち着きを見せていく中で、将来の業績に対する投資家の動向ををより深く掘り下げていく予定だ。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Robinhood、IPO
画像クレジット:TechCrunch
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(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)