都心のオフィス街では、昼12時ごろになるとどこのお店も混み合ってしまう。せっかくのリフレッシュ時間を無駄にしないために、お昼は結局コンビニ弁当で済ませてしまう人も多いだろう。僕もその1人だ。そんな人たちは“ランチ難民”とも呼ばれていて、TechCrunch Japanではその課題に取り組む、月額定額制のランチテイクアウトサービス「POTLUCK(ポットラック)」を紹介したりしている。
そのPOTLUCKとは違うかたちでこのランチ難民問題に取り組むスタートアップがいるので紹介したい。トラックを改装した飲食店の“フードトラック”とオフィスビルの空きスペースなどをマッチングする「TLUNCH(トランチ)」を提供するMellowだ。
フードトラックは、店舗型の飲食店を開業するのに比べて初期費用が安く済むことなどから新しく飲食業を始めたい人たちにとっては魅力的な選択肢。しかしその一方で、特に都心では営業できる箇所がすくないなどの課題がある。
その課題の解決を目指すのが、フードトラックのオーナーと、空きスペースを有効活用したい土地のオーナーとをマッチングするTLUNCHだ。同サービスを利用すれば、フードトラックのオーナーは営業可能なスペースを簡単に見つけることができる。また、オフィスビルなどのオーナーは空きスペースを使って追加的なマネタイズが可能になるだけでなく、オフィスの近くにおいしいフードトラックがあるという環境づくりをすることで、入居を考える企業へのアピールにもなる。
フードトラックのランチを楽しむ一般ユーザーは、TLUNCHのアプリをダウンロードすることで、どの空きスペースにどのフードトラックが来ているのかを確認することが可能だ。同じ空きスペースでも、曜日ごとに別々のフードトラックを配車することも可能なので、一般ユーザーがフードトラックのメニューに飽きることもないだろう。
TLUNCHは出店料としてフードトラックから売上の15%を受け取り、そのうちの5%が空きスペースのオーナーの取り分となる。2016年にサービスを開始したTLUNCHには現在、350店のフードトラック、約80箇所の空きスペースが登録されているそうだ。
このように、空きスペースとフードトラックのマッチングサービスを展開するMellowだが、同社は今後、空きスペースで提供するサービスカテゴリーの幅を広げていくという。2018年3月、同社はオイシックスドット大地と手を組み、フードトラックでミールキットを販売する「Kit Oisix」を提供開始。また、つい先日の7月17日には東京・恵比寿のプライムスクエアタワーにて移動型マッサージ店舗の営業も開始した(今回は7月31日までの限定オープン)。
当初は、空きスペースにフードトラックを配置することで都心のランチ問題を解消するサービスとして生まれたTLUNCH。同サービスは、さまざまな場所にある空きスペースに、必要とされるサービスを必要なときに提供するというモビリティサービスのプラットフォーム事業へと徐々に進化を遂げているようだ。