80年代に子どもだった人は、Big Trakを思い出すかもしれない。子ども向けのトラック玩具だが、プログラマブルなロボットでもあり、いくつかのアクションを実行できた。指定した方向・距離を走る、偽のレーザー光線を発射する、物を目的地まで運んで下ろす(ダンプカーふうに)(親がそのためのアクセサリを買ってくれていた場合)、などなど。
Big Trakが失敗したのは、当時の技術よりもコンセプトが進みすぎていたからだ。キッチンの食卓からドアまでの距離を正しく測らないと、Big Trakは頻繁に壁に激突した。しかし、子どもたちはロボットに夢中になるはずだ、というメーカーの勘は当たっていた。時間を数十年早回しすると、目の前にはmOwayduinoがある。Arduinoを使ったプログラマブルなロボット玩具で、モバイルアプリと一緒に使う(たとえば携帯電話の加速度計を利用して無線で操縦できる)。アドオンのハードウェアもいくつか用意されているので、ハードウェアとソフトウェア両方の多様な構成要素で遊びながら学べる、リッチな遊び/学習環境だ。
今はまだ、ほとんどアイデア先行で、コンセプトとプロトタイプの段階だ。会社はスペインの企業で、Indiegogoで資金募集することを考えているようだ。それまでユーザ登録は、同社のWebサイトで受け付けている。アップデート: mOwayduinoのメーカー企業は、Indiegogoでの資金募集を2週間以内に開始する、と言っている。“3か月以内に目標額に達したら、市場に出せる。出資者には特別価格で提供する”、と同社は言っている。“製造に必要な額以上に資金が集まったら、タブレット用のグラフィカルな(mOwayduino用の)プログラミングツールを開発したい”。また、APIを公開してユーザが独自のmOwayduino用アプリケーションを作れるようにしたい、とも言っている。
mOwayduinoロボットの基本デザインは、自分の本来の仕事を忘れた卓上鉛筆削り機にやや似ている。三つの車輪が、走行と方向変えを支える。ライトやセンサーも多く(ライン(線)センサー、ライト(光)センサー、障害物センサー、マイク、スピーカなど)、USB端子から充電する電池は約2時間使える。
拡張スロットがあるので、そこにいろんなハードウェアを挿入して機能を拡張できる。たとえばカメラを挿入すると、その“目”が見た画像をリアルタイムでPCに送れる。弟がやってることを、スパイできたりして。またWiFi装置を付けると、モバイルデバイスからコントロールしたり、ロボットにメール(「職務完了!」など)を送らせたりできる。
機能豊富なロボット本体+各種の拡張ハードウェア+プログラミング(Ardunio IDE、Phyton、Java、子ども用のScratch言語)、という三大要素に加えて、複数のmOwayduinosが対話しながら互いにシンクできるから、昔のBig Trakよりはずっと上等だ。
mOwayduinoは、超小型コンピュータRaspberry Piのような、学習用ハードウェアの仲間入りをするのかもしれない。Piの成功要因の一つがその低価格だが、mOwayduinoの場合はどうか? 子ども(の親)が、気軽に買える値段であってほしいね。
〔余計な訳注: 一般消費者の常識としても、カメラ(目)とWiFiは標準装備であるべき。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))