今やオープンソースのアドバンテージは、誰の目にも明白だ。コードを一般公開すれば、いいことが起きる。バグやセキュリティホールを、人びとが見つけてくれる。多くの目や声により、ソフトウェアがどんどん良くなる。さまざまなニーズに適応できる。それどころか、スタートアップのエコシステムはその全体が、オープンソースの主要プロジェクトがベースだ。
オープンソースが民間部門でこれほどまでに遍在的になってきたので、最近では政府も注目するようになった。今日(米国時間3/11)は合衆国政府のCIO Tony Scottが、ホワイトハウスのブログで、オープンソースを政府にも持ち込もうとするオバマ政権の計画の概要を述べている。
その草案によるとホワイトハウスのビジョンは、政府諸機関がコードを共有し、その後の時間の中で効率を改善していけるようにする、それにより、すでにどこかで作られているものを、別の省庁が再発明しないようにする、というものだ。
それはまだ決定された政策ではなく、議論のたたき台だ。Scottはそのブログ記事で、“われわれは広く意見を求めるために、政府のカスタムソフトウェアのコードへの幅広いアクセスをサポートする「連邦ソースコード(Federal Source Code)」政策の草案を、公開していく”、と述べている。言い換えるとそれは、政府全域のオープンソースポリシーを策定していくための、出発点だ。
政府の各種プロジェクトで使われるコードをオープンソースにすることは、必ずしも、すべてのコードを公開すべしという政策ではない。しかし一部のコードの公開にすぎなくても、そこには今後の興味深いユースケースが生まれ育ち、新しいビジネスすら生まれるだろう。Scottのブログ記事は述べている:
“この政策は、連邦政府のために、あるいは連邦政府によって、新たに開発されるソフトウェアが、連邦政府の全機関に可利用となり共有されることを要求する。それには、連邦政府の資金によって作られるカスタムコードを一般に公開していくパイロット事業も含まれる。
しかしコードの共有だけがこの政策のすべてではない。Scottによれば、それはまた、政府諸機関ができるかぎりオープンソースのコードを利用して自らソフトウェアを作るよう彼らを教育し、今すでに一部のプロジェクトで行われていることを拡大普及していくことも含まれる。
ホワイトハウスがこの変革に成功し、それが今後の政権にも受け継がれていくなら、コードの共有は目に見える日常の慣行となり、それは究極的にはイノベーションを喚起するとともに、税金を使って政府が作った技術を利用する新しいビジネスすら産み育てるだろう。それは、所属・支援する政党や政策の違いを超えて、多くの人びとが賛同するアプローチだろう。