ポケモンGo人気で「日本発」アプリが引き続き注目されるなか、別の日本発アプリが躍進中だ。以前から着々と北米市場進出を狙っていたフリマアプリのメルカリだが、ここ2日ほど急にランキングをあげているようだ。App Annieのデータによれば、以下のように本記事執筆時点(日本時間7月29日午前、アメリカ時間28日午後)で米国向け無償iPhoneアプリ全体の3位に付けている。ポケモンGoの背中にピッタリとくっつき、Instagramを抑えている。ちなみにショッピング部門ではメルカリが1位で、類似の競合サービスで米国で人気のPoshmarkはショッピング部門9位だ。
メルカリ創業者でCEOの山田進太郎氏によれば、10位以内にランクインして、まだ24時間程度。日本時間の28日には急浮上して3位に登りつめたようだ。何か特定の施策が奏功したというわけではなく、「普通にバズってる感じですね。一部のフォロワーの多い人たちから火が付いたようです。他にもこれかなという施策もなくもないのですが、まだ精査中」(山田CEO)という。最近実施したいくつかの施策に加えてインフルエンサーが取り上げたことで相乗効果が出ているようだ。
ランキング上位浮上以前には1日3万ほどだったダウンロード数は、現在30万弱と10倍程度になっているという。メルカリの米国でのダウンロード総数はiOS、Android両方で1200万以上。ちなみに、AndroidのPlay Storeでのランキング1位はポケモンGoだが、上位にメルカリは見当たらない。ユーザー層に違いがあるのかもしれない。
日本のスタートアップとしては過去2014年に10月にニュース部門で米国App Storeランキング1位ということあったが、ゲーム以外で総合部門上位ランキングに食い込むのは珍しい。ゲームと違ってネットワーク効果(ユーザーが1人増えるごとに、既存ユーザーにとっての利用価値が上がる効果がある)が効くプラットフォームサービスであることから、ユーザー増はクリティカルだ。いまの上位ランクインが瞬間最大風速のような現象だとしても、普及への弾みとなるだろう。
メルカリは日本向けでは手数料10%を課金している。すでに2015年12月時点で月間数億円規模の黒字を出しているということだったが、まだ米国では課金ははじめていない。メルカリ取締役の小泉文明氏によれば、米国市場での課金開始の議論は続けているものの「まだユーザー獲得のフェーズ」という。また、販売・流通サービスで重要な指標となるGMV(Gross Marchant Volume:取扱高)については「非公開」(小泉氏)としている。