マイクロソフトがWindows 10Xのデュアルスクリーン向け開発ツールを提供開始

米国時間2月11日、Microsoftは同社主催の365 Developer Dayで、デュアルスクリーン端末向けのWindowsであるWindows 10Xのアプリケーション開発者向けのツール群を発表した

中でも注目に値するのがWindows 10Xエミュレーターだ。これを使うとデベロッパーは自分のアプリケーションがデュアルスクリーン端末でどう見えるのかを事前確認することができる。現時点でWindows 10Xのハードウェアは市場に存在しない。Microsoft自身のSurface Neoを始め、いくつかのメーカーが休日(ワシントン誕生日)前の発売を予定しているが、Microsoftはデベロッパーにこの新しいユーザー体験の準備を進めて欲しいようだ。

Microsoftは、現在のWindowsアプリケーションはデュアルスクリーンでもそのまま動作すると発言している。ただし、2画面を有効に活かすためには、アプリケーションが対応する必要がある。現在Microsoftはアプリケーションを3つのパターンに分けている。実質的にアプリを2画面に広げるexpansive workspace(ワークスペースの拡大)、片方にアプリの主画面を、もう一方にツールを配置するfocused screens(専用画面)、および2つのアプリを並べてマルチタスクを容易にするconnected apps(アプリ連携)だ。

新しいエミュレーターとプレビューSDKを使って、デベロッパーは最適な動作を検討できる。

また同社は、新しいJavaScript APIおよびCSSメディアクエリーを提案し、HTML、CSS、およびJavaScriptを使ってPWA(プログレッシブ・ウエブアプリ)やWebViewsとしてアプリを制作するデベロッパーを支援する。同社はW3C(WWWコンソーシアム)と協力して標準化を進めたいと言っている。「目標は、ブラウザーやオペレーティングシステムを超えたインターオペラブルなデュアルスクリーン体験を作れるようにすること」とMicrosoftは語った。

Microsoftのクロスプラットフォーム開発プラットフォームであるXamarinも、UIツールキットのXamarin.Formsでデュアルスクリーンをサポートする。さらに、React Native(Facebookが開発したフレームワーク)向けにもデュアルスクリーンモジュールを提供する予定だ。

目的は明白で、新しく出てくるデバイスを活用する方法を見出すためのツールをデベロッパーに与えることだ。同社は最高のユーザー体験について一定の考えをもっていることは間違いないが、デベロッパーのどんな使い方をするかも見てみたいと思っている。デュアルスクリーンWindows端末は、まだ始まったばかりであり、Microsoftがエコシステムから学び、それを取り入れるための時間は十分ある。

さらに同社は、新しいSurface端末とWindows 10Xを休暇前に発売する可能性は今もあると私に言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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