メルカリ子会社でモバイル決済などのサービスを手がけるメルペイは3月14日、iOS先行でコード決済機能の提供を開始した。Androidについても近日中に提供開始予定となっている。
メルペイは、さまざまサービスと決済手段を連携させるOPENNESS構想を掲げており、第1弾としてNTTドコモの非接触決済システムであるiDの採用を発表。このたび、3月中旬と予告されていたコード決済にiOS先行で対応したかたちだ。「コード払い」対応店舗は、現時点で45万カ所を予定。3月25日より対応加盟店ほかコンビニの「ローソン」などで順次提供を開始する。これにより「iD」加盟の約90万カ所と合わせ、全国約135万カ所で「メルペイ」での決済が可能になる。
とはいえローソンをはじめ大手コンビニではほとんどの店舗でiDが使えるので、飲食店などでのコード決済対応に期待したいところ。メルペイでは決済手数料が永年1.5%、初期導入費用や固定費は0円という点に飲食店がどれだけ食いつくかが勝負。ちなみにクレジットカード払いの手数料は一般的に3〜4%なのでメルペイのほうが有利だが、PayPayでは終了日は決まっていないものの期間限定で決済手数料が0%となっている。
メルカリ上のメルペイ残高の総額は5000億円超と言われている。この残高をユーザーに使わせることで、メリカリで積み上げてきた2次(中古品)流通の売買データに加え、一次流通のデータを取得できる。これらのデータをどのように活用するかは不明だが、他社ではなかなか真似できないメルカリ、メルペイのアドバンデージであるのは間違いない。
とはいえ他社の還元キャンペーンもあり、消費者サイドがメルペイを積極に使うというモチベーションはまだまだ低い。他社追従となるが、PayPayやLINE Pay、Origami Payなどの度肝を抜く利用促進キャンペーンを期待したいところだ。
一方で、メルペイ残高をメルカリ内で循環してもらったほうが振込手数料などもかからないため都合がいいという考え方もある。メルカリ内での循環を考えるなら、長期留保を促すような投資信託などの金融サービスが必要かもしれない。